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手話条例

 外国人観光客の増加に伴い、街中で英語や中国語、韓国語など外国語の表記が増えてきた。京都市の新たな条例案は、もう一つの「言語」への対応だ▼2月市議会で「手話がつなぐ豊かな共生社会を目指す条例」案が可決される見通しだ。市聴覚障害者協会の要望を受け、全会派が合意して議員提案される▼「手話はろう者の第一言語」だという。勉強不足だが、日本語の音声を手指の動きなどに置き換えただけのものと思っていた。条例案の説明資料によると、独自の語彙(ごい)や文法体系を持ち、「日本語とは異なる言語」という。ろう者はコミュニケーションだけでなく、思考にも用いると知り、認識を新たにした▼条例案では、基本理念で「手話は言語」と規定し、使用する人の権利を明記した。市は手話通訳者の確保・育成を図るなど環境を整備する。国際観光都市として、手話を使う旅行者が安心して滞在できるようにするという市や市民の努力義務も掲げた▼先週、ろう者9人が市議会に対して、手話で条例案への意見を表明した。公共施設や病院などへの手話通訳者配置の要望や、手話は各国で異なり、どう外国人観光客に対応するのかといった指摘があった▼課題もあり、具体策はこれからだ。「言語」として尊重する意識が広がることを期待したい。

[京都新聞 2016年02月22日掲載]

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