凡語 京都新聞トップへ

衆院京都3区補選

 ワースト記録が69年ぶりに更新された。24日投開票の衆院京都3区補欠選挙。投票率が戦後の衆院補選では全国最低の30・12%に終わった。若い有権者を新たに迎える「18歳選挙権」が始まる年に、恥ずかしい記録だ▼前自民党議員が「育休宣言」後の不倫発覚で辞職したことが補選の発端。騒動を覚えていても、補選を知らない市民も多かった▼「巨人や阪神のいないプロ野球のよう」と例えた議員がいた。京都で強い自民、共産両党が不在で、盛り上がらないとの嘆きだ▼自民は、有権者の反発を恐れて「不戦敗」を選び、与党不在の選挙となった。共産は、安全保障関連法廃止に向けた野党共闘を重視し、擁立を見送った。異例の構図に大人の事情が垣間見え、「政治は遠い」と漏らす18歳の学生もいた▼補選で勝った泉健太さんは20年前、現職の辞職に伴い急きょ行われた京都市長選で、立候補予定者の公開討論会を学生グループ代表として企画した。選挙討論会として全国で先駆けの試みだった▼「選挙は組織が目立ち過ぎる。有権者の手で候補を知り、政治への関心を高める機会をつくる」と当時の泉さんは語っていた。今回も投票率向上に取り組む若者の動きがあった。なのに、政党の都合で選択の機会が狭められる。これでは民主主義は成熟しない。

[京都新聞 2016年04月26日掲載]

バックナンバー


凡語 書き写し
 
著作権は京都新聞社に帰属します。
ネットワーク上の著作権について(日本新聞協会)