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紫ずきん

 粒が大きく食感はもちもちとしている。かみしめると甘みとこくがある。丹波黒大豆から生まれた枝豆「紫ずきん」は薄皮が薄紫色で、頭巾をかぶったような姿をしていることから名付けられた▼「京のブランド産品」として出荷が始まったのは1996年で、すでに20年が経過した。京都府中北部の京丹波町や綾部市、福知山市、京丹後市などで多く栽培されている▼今年の京都市中央卸売市場での初競りは9月1日だった。当初は9月下旬ごろからの出荷だったが、「ビールがおいしい暑い季節に間に合うように」との要望に応えて府が品種改良に取り組み、次第に早くなった▼2012年には8月から収穫できる「京 夏ずきん」が登場した。紫ずきんと出荷額を合計すると、ブランド産品の中でトップの「京みず菜」に次ぐほど人気がある▼北海道と東北は8月に台風の上陸や接近が相次ぎ、大雨と強風によって収穫時期を迎えた農作物が大きな被害を受けた。紫ずきんも04年には、台風23号による大雨で畑が冠水して収穫が落ち込んだ。天候に恵まれ、シーズンの10月下旬まで順調な出荷が続くよう期待したい▼きょうは二十四節気の「白露」。秋の気配が漂い始めるころとされる。今晩あたり、冷たいビールではなくぬる燗(かん)で枝豆を味わってみようか。

[京都新聞 2016年09月07日掲載]

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