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ハロウィーン・パレード

 よく知らないのに懐かしいのはなぜだろうと思っていた。仮装行列してお菓子がもらえて…で思い出した。そうか、昔の地蔵盆と同じだ▼日本でもすっかり定着した10月31日の「ハロウィーン」である。週末はイベントがめじろ押しだ。市場規模は1300億円以上でバレンタインデーを超えたとの推計もある▼古代ケルト人の収穫祭と悪霊除けが起源とされるが、時代によって大きく姿を変え、「もっとも誤解に満ちた祝祭」(リサ・モートン「ハロウィーンの文化誌」)だという。キリスト教との複雑な関係や、移民がアメリカに伝えてから子どもや大人の祝祭として変容してきた歴史は興味深い▼21世紀になって「アメリカ製で最新の一大ヒット輸出品」になったと位置付け、日本について「コスプレと祭りが好きなこの国ではあっさり受け入れられた」とモートン氏は評す。卓見だろう▼題材にした小説や映画は数多い。米歌手の故ルー・リードさんの「ハロウィーン・パレード」という曲もある。にぎやかな行列を見ながら亡くなった友人を悼む内容だ。ハロウィーンは日本の盆と同じで死者が訪ねてくる日と考えられていたという。ならば、そういう過ごし方もおかしくはない▼曲はこういう言葉で終わる。「来年会おう、ハロウィーン・パレードで」

[京都新聞 2016年10月27日掲載]

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