凡語 京都新聞トップへ

クリーニングの忘れ物

 国内にあるコンビニの数は5万5千強。これに対しクリーニング店は、取次店などを含め倍近くあるのをご存じだろうか▼洗濯機で洗えるスーツの登場やクールビズなどによる衣服のカジュアル化、さらに節約志向なども加わって需要が減退し、ピーク時の3分の2ほどになっている。それでも国際的に見ると、日本の需要量はなかなかのものらしい▼そのクリーニング店で長期間引き取りに来ない放置品が増えているという。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)が傘下の427店に実施した調査では、数カ月~1年以上取りにこないケースが約9割の店であった▼中には25年以上預かっていたり、200点以上抱えている店もある。事前に期限を告知して処分してきた店はいいが、引き取りまで預かっている店は保管場所を確保せねばならず、変色などのトラブルにつながるだけに頭が痛い▼放置の原因は、客が忘れる、転居などで連絡できない、などさまざまだ。連絡先を聞こうにも個人情報だとして拒否される場合もあるという▼かつてクリーニング店はご用聞きで預かり配達したが、今は客が持ち込み引き取る。そんな変化も放置が増える背景にはあろう。全ク連は処分できるよう国に働きかけているが、すっきり洗い落とせるかどうか。

[京都新聞 2017年09月22日掲載]

バックナンバー


凡語 書き写し
 
著作権は京都新聞社に帰属します。
ネットワーク上の著作権について(日本新聞協会)