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南岸低気圧

 東京都内は昨日朝も積雪が残り、通勤時の足が大きく乱れた。20センチほどの雪で、4年ぶりに大雪警報が出た。本州南側を黒潮に乗るように発達しながら進む南岸低気圧の威力を見せつけた▼南岸低気圧は冬から初春に東シナ海方面で発生し、時に関東南部に大雪をもたらす。動きが定まらず、急に発達することもあり、予報が難しいそうだ▼雪中の三大事件というのがある。赤穂浪士の討ち入り、幕末の桜田門外の変、昭和の二・二六事件である。いずれも今の暦では1月末~3月に起きた。どれも一時代を画す事件である▼二・二六事件は映画で、反乱軍が雪の中を行進する場面が印象的だった。政府首脳が襲撃された舞台である永田町近くに中央気象台(気象庁)があり、記録が残っている▼実際は当日の降雪はそんなに多くはなかった。事件の3日前に南岸低気圧が関東沖を通過し、積雪は36センチに達していた。雪に焦点を当てた脚色が強すぎて、雪の印象を深めたようだ▼北海道・旭川地方気象台で、氷点下41・0度の史上最低気温を記録したのは1902(明治35)年の1月だ。前後して青森県の八甲田山で、歩兵第5連隊の199人が訓練中、猛吹雪の中で死亡している。京都でも底冷えする日が続きそうだ。これから4月にかけて特に注意を払いたい。

[京都新聞 2018年01月24日掲載]

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