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漁業の「働き方改革」

 漁業には定休日がなく、休みは風雨で海が荒れる「しけの日」と言われてきた。そんな業界にも「働き方改革」の波が押し寄せている▼京都府漁業協同組合は先月から、府北部に開設する4地方卸売市場で毎週土曜を一律に定休日にしている。水産会社などは市場が開いていると漁に出ざるを得ない。昨年まで月2回だった一律の定休日を増やすことで漁業者が週1回は休めるようにした▼背景には漁業者のなり手不足がある。組合員数は減少を続け、水産会社では漁に出る従業員の確保に苦労していると聞く▼若い世代は休日や福利厚生を重視し、家族がいる漁業者からは「予定が立てられる休みがほしい」との声が寄せられる。少しでも世間並みに近づけようと、25年ぶりに定休日の変更に踏み切った▼周りを見渡せば、自宅にいながら商品を受け取れる宅配便や24時間営業のコンビニが当たり前になっている。ただ各業界が労働環境の見直しを始める中、働き手があってこそ便利な生活を享受できることに改めて気付かされる。私たちの意識こそ改革しないといけない▼休日に舞鶴市でなじみにしている鮮魚店をのぞくと、店頭に並ぶ魚介類が少ない。「市場が土曜で休みだから」という店員の声に戸惑った。まだまだ働き手への理解が足りないと反省した。

[京都新聞 2018年02月19日掲載]

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