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夏のあやまち

 五輪の暑さ対策にサマータイム(夏時間)が検討されている。ちょうど40年前の夏、大ヒットした歌がサーカスの「Mr・サマータイム」▼ただし、こちらの意味は「夏の日」か。往年の歌謡曲が再び脚光を浴びているそうだが、1978年の夏はほかにも「飛んでイスタンブール」「東京ららばい」など都会的な曲がめじろ押しだった▼最近出た本「昭和歌謡出る単1008語」は、流行歌でおなじみだった言葉を面白く解説している。サ行の「サマータイム」には「『あやまちの関係』に溺れ、後悔する人が頻出する」とある▼サーカスの歌もそんな内容だったが、実はフランスの原曲の歌詞はまったく違う。ひと夏の出会いの幸運を歌い上げ、後悔のかけらもない。日本でカバーする際、女性が主人公の「不倫」の歌になった。ちょっとしたずれが時代を感じさせる▼サマータイム制度も、本家の欧州では健康への悪影響などから廃止論が盛んになっている。今になっての検討に、ずれを感じる人もいるのではないか。世論調査では反対が大勢のようだ▼自民党は議員連盟で話し合うというが、あやまちを後悔することのないようにしてほしい。猛暑は続くものの、8月ももう終わる。「あれは遠い 夏の日のまぼろし」-。歌のように立ち消えるだろうか。

[京都新聞 2018年08月28日掲載]

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