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アイドルグループ「スマイレージ」リーダー 和田彩花さん

ツンデレ菩薩にキュン
この色
初めて講堂に足を踏み入れた時は威圧感で怖くなった。「やっぱり写真で見ているのと実物では迫力が違いますね」 (京都市南区・東寺)
初めて講堂に足を踏み入れた時は威圧感で怖くなった。「やっぱり写真で見ているのと実物では迫力が違いますね」 (京都市南区・東寺)
 アイドルグループ「スマイレージ」のリーダー和田彩花さん(19)は大学に入学する直前、仏像の魅力に目覚めた。
 「出会いはほんとに偶然ですね。日本の美術の勉強で教科書の仏像を眺めていて。最初は漢字が難しくて『どうやって読むんだろう』から始まりました。でも、ある日突然、顔の見分けがつくようになったんです!『あれ、これは大変だー。みんな、ぜんぜん違うじゃないかー』って。

 そうなったら、すぐに仏像さんに会いたくなって、去年の1月にお母さんと京都と奈良に行きました。ナマで見たら、写真で見るのとまったく違う。いろんなモノが仏像さんから出てるんですよ。いや、何か出ているという訳ではなく、そう感じるというか。オーラですね」

 京都の仏像では、東寺(京都市南区)の立体曼荼羅(まんだら)に魅せられた。
 「もう東寺さんは完璧です。講堂の中に仏像さんがずらーっと並んでいて、すごい威圧感。ガラスケースに入って展示してあるお寺も多いけど、そうなると『作品』として見てしまう。でも、東寺さんでは空海の時代のまま安置されていて、本来のお仕事をされている仏像さんの姿に会える。感激しました。

 菩薩(ぼさつ)さんが一番好きなんです。会いに行っても、感情を表に出さずツンとした印象だけど、実はやさしくて。そうツンデレですね。よく見ると薩埵(さった)さん(東寺・講堂の国宝『金剛薩埵菩薩像』)は、少しだけほほ笑んでいて、満足そうな顔をしているでしょう。癒やされますね。

 わたし仏像さんみたいになりたいんです。いっぱい元気をもらえるし、すごく美しくて見とれてしまう。わたしも、ただ歌って踊るだけではなくて、言葉にしなくても伝わるパワーが出せたらって」

いっぱい元気もらえる

枯山水の前庭に面した建仁寺の方丈。「目の前に広がっている庭をボーっと眺めているのが至福のひととき」(東山区)
枯山水の前庭に面した建仁寺の方丈。「目の前に広がっている庭をボーっと眺めているのが至福のひととき」(東山区)
 もともと西洋絵画に関心があり、大学では美術史を学ぶ。3月に新書「乙女の絵画案内」を出版した。
 「高1の時に見たマネがきっかけ。絵画って色鮮やかなイメージだったけれど、マネの絵は真っ黒の世界、衝撃でした。それからいろんな展覧会に出かけるようになって。まだまだ勉強中ですが、『かわいい』に注目して、最初に見た印象や感想を大切に書きました。クリムトの絵は『イモムシみたい』とか、『フェルメールに描いてもらいたい』とか。

 知識があって絵を見るのも楽しいけれど、白紙の状態だと自由に想像できて面白いんです。読者の方が『そんな風に見えるんだ。あ、私にはこう見える』と思ってくださるとうれしい」

 大正時代に京都で絵はがきや絵封筒のデザインを手がけたイラストレーター小林かいち(1896~1968年)も紹介した。
 「地元の群馬で知ったんです。保科美術館(渋川市)に竹久夢二さんの作品を見に行った時に展示されていて。本当にかわいくておしゃれ。まさに日本のアール・デコ。本にも書いたんですが、バラやトランプといった乙女なモチーフを使っていて、当時の女学生もキュンとしたんじゃないかな。

 京都は、お寺や神社、街並みとか伝統的な景色があるけれど、小林かいちさんのような新しいセンスも出てくる。最近、初めて嵐山に行ったのですが、自然に囲まれた京都が堪能できました。『京都っていろーんな顔があるんだな』って思いました。住みたいです、京都に。今度来たら、平等院(宇治市)に行きたいですね。阿弥陀(あみだ)さん、写真で見てもあんなにキレイ。本物に会いたいです」

わだ・あやか

結成時からリーダーを務める和田さん(中央)。「ステージでは仏像さんのように美しくありたい」(中京区)
結成時からリーダーを務める和田さん(中央)。「ステージでは仏像さんのように美しくありたい」(中京区)
 1994年群馬県生まれ。2004年にハロプロエッグオーディションに合格し、10年、スマイレージとしてメジャーデビュー。4月末に16枚目のシングル「ミステリーナイト!/エイティーン エモーション」を発売した。著書に「乙女の絵画案内」(PHP新書)。

【2014年05月03日掲載】