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嵯峨野トロッコ列車

開放感いっぱい、DE10がけん引
保津峡を走るトロッコ列車(京都市右京区)
 嵯峨野観光鉄道総務課長の坂口勇一さん(60)は胸を張っていう。「夏は暑いし、冬は寒い。乗り心地も悪く、やかましい」。しかし秋の紅葉シーズンには、1列車約370人分(立席含む)9往復分の乗車券が、午前中に売り切れてしまうことがあるほどの超人気列車だ。
 沿線は京都きっての景勝地、保津峡。1989年、山陰線の電化複線化で新線が開通し、廃線となった嵯峨嵐山(京都市右京区)−馬堀(亀岡市)間7.3キロの旧線を観光用に開発して、91年に開業した。
 ディーゼル機関車DE10がけん引する客車5両は、旧国鉄で材木運搬に使われていた貨車を改造した。うち1両の「ザ・リッチ」と銘打った特別車が自慢だ=写真。側面の窓をなくしたほか、ガラス屋根や線路が透けて見える格子状の鉄板を床板に使い、開放感を演出した。
 「雨に濡(ぬ)れても文句を言うべからず」「目にゴミが入れば、目薬をさせ」。こんなユニークな乗車心得が駅に張り出されているほど、列車から自然は近い。【嵯峨野トロッコ列車の動画はこちら
<客車にも運転席> トロッコ列車の動力は機関車のみ。亀岡行きの場合は、客車が機関車に押される格好になるが、先頭で列車を操れるよう運転席がある。最後尾の機関車から配管を施し、エンジンやブレーキ、汽笛などを操作する仕組みだ。

特別車「ザ・リッチ」