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(6)肉戸裕行教授 地域貢献と木育

行動できるひと、めざす

隣接する山で自分の好きな木に名札をつける和知小の子どもたち(京丹波町本庄)
隣接する山で自分の好きな木に名札をつける和知小の子どもたち(京丹波町本庄)

 京丹波町にある本校の講義棟は開校以来、京丹波町和知支所の庁舎をお借りしています。また、実習用の森林を持たない本校では樹木の保育・伐採、森林作業道の開設、シイタケ菌の植え付け、桜の樹勢回復などさまざまな実習は、京丹波町有林をはじめ地域の山林を使わせていただき、地元の全面的なバックアップを受けて学校運営を行っております。

 そのため、地域が抱えている課題の解決や森林・林業のPRにつなげようと、「森林公共政策入門」「人・里・森交流実習」など地域に密着した本校独自の授業を行っています。この授業では「木育」をテーマに、小学校や地域のイベントに出向いて学生が中心となって間伐体験や木工教室などを行っています。

 「木育」とは、子どもたちが小さな頃から「樹(tree)」と「木(wood)」に触れ、自然の大切さや木のぬくもりを感じてもらう体験を通して、自然や地域を愛せる大人になってもらえることを目的とした学習プログラムです。

 実習における先生役はあくまで林大生ですが、学生が子どもたちに教えることで逆に多くのことを学びます。また、子どもの感性を大切にするため、のこぎりなど危険を伴う道具の使い方以外はできるだけ教えず、子どもたちといっしょに考えるよう学生に指導しています。

 昨年は、和知小の児童たちと隣接する山の樹木の名札付けを行い、竹野小の児童たちとは地元の山から切り出した木材を利用して椅子を製作しました。最初、子どもとの付き合い方が分からなかった学生も、次第にコミュニケーションの取り方などが自然と上手になっていきました。

 林業という仕事を一般の方に理解してもらうチャンスはそう多くありませんが、このような授業を通して学生たちは森林や山仕事をPRする大切さについても学び、考え、行動できる人間になってもらいたいです。

 また、本校では毎年12月最初の日曜日に「林大祭」を開催しております。森の体験コーナーなどさまざまなイベントを行っていますので、皆さまぜひお越しください。

 最後に、授業ではありませんが、地元の祭礼やバレーボール大会などに積極的に参加することも本校では大切にしております。地域の皆さまといっしょに汗をかき、コミュニケーションを図ることで、これからも地域の方から愛される学校に成長していきたいと願っております。=第4部おわり

にくと・ひろゆき

肉戸教授

 京都府立大農学部卒。京都府森林保全課、府立植物園などを経て2016年より現職。担当科目は森林公共政策、森林保護など。

【2019年07月09日掲載】