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石ふしぎ博物館 |
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◆石は謎だらけ
益富地学会館は、約三十年前、日本の地学研究のリーダーだった益富寿之助博士(一九〇一年生まれ、九三年に死去)が、自宅を改築して作りました。三階建てのビルですが、最初は一階に益富博士の自宅と漢方薬局が入っていたそうです。
石が並ぶ階段を上っていくと、三階がテーマごとに鉱物や岩石、化石などの標本を並べた標本展示室。標本の数は、約二万点。会館の奥にある倉庫にも、多くの標本が置かれています。標本にラベルをつけるだけで、一年以上かかったとか。
砂に咲く「砂漠のバラ」、下の絵が浮き上がる「テレビ石」、アラレが固まったような「アラレ石」など不思議な石もいっぱい。アラレ石がなぜこのような形なのか、いまだに謎だそうです。 |
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いろんな岩石や鉱石、化石が並ぶ標本展示室/
不思議な形のアラレ石 | |
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ぐにゃりと曲がるコンニャク石 | |
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◆変わったり変わらなかったり
京都や滋賀の石もたくさんあります。
夜久野町の名前が記されているのが、二億三千年前のアンモナイト「ヤクノセラス・ヌカテンゼ」。アンモナイトは進化が分かるように並べられていて、真っすぐな貝がくるくると巻くようになったり、巨大化していく様子が分かります。
マシジミやカラスガイなど琵琶湖の貝の化石は、今いる貝の貝殻と一緒に並んでいますが、色も形もよく似ています。大昔は琵琶湖はもっと南の方にあったそうで、三重県の山も五百万年前には湖の底で、同じ貝の化石が出土します。 |
◆双眼鏡で石を調べる?
二階は図書室と研究室です。「X(エックス)線粉末回折装置」は、鉱物の粉末にエックス線をあてて、返ってくるエックス線の変化で鉱物の種類を調べます。岩石や鉱物を薄く切って標本にするための岩石カッターや研磨機も置いています。まずダイヤモンドのカッターで石を切り、研磨機のやすりガラスを砥石(といし)のように使って、一ミリの五十分の一(二十ミクロン)の薄さに削るのだそうです。
一階から二階に上がる階段には、北野天満宮(京都市上京区)の牛の像の写真パネルがずらり。親子十五匹の牛の像が境内にありますが、砂岩や花こう岩、蛇紋岩、黒色石灰岩など石の種類はさまざだそうです。
竜安寺(右京区)の石庭の石の数も大小十五個。その石の写真もありますが、庭に降りられなかったので双眼鏡で観察して種類を推定したとか。 |
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北野天満宮の牛はどんな石? | |
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鉱物を調べるX線粉末回折装置 | |
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【メモ】 益富地学会館は地下鉄丸太町駅下車。烏丸通を北に進み出水通を西に入って北側。標本展示室は団体予約をのぞいて土日のみ公開(入館料二百円、小学生以下無料)。TEL075(441)3280。 |
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砂漠の花は石だった? | |
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