立命館大国際平和ミュージアム
 
 六十一年前まで日本は戦争をしていました。アジアを中心にたくさんの人々を殺し、日本人も多く死にました。イラクやパレスチナなど世界では今も争いが絶えません。なぜ戦争は起きるのでしょう。また、戦争さえなければ「平和」と言えるのでしょうか。立命館大国際平和ミュージアムで考えてみませんか。
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  •  ◆過去を反省 平和ミュージアムは、世界初の大学による平和博物館です。かつて戦争協力した反省から立命大が一九九二年に設立しました。収蔵している資料二万五千点のうち一万二千点を展示し、これまでに約四十八万人が訪れています。
     地下一階では過去と現代の戦争を知ることができます。「一五年戦争」の展示では一九三一年の満州事変から日中戦争、太平洋戦争にかけて、兵士を強制的に集めた赤紙(召集令状)などの戦時資料や、戦場で亡くなった人の遺品が所狭しと並んでいます。アジアの人たちにひどい仕打ちをしたことや、国の戦争方針に反対した人が警察に捕まって厳しい罰を受けたこと、私たち新聞が本当のことを書かなかったことなど、記憶し伝えるべき歴史があります。
    12000点の遺品や写真パネルが並ぶ館内
    展示の意味を入館者に解説するガイドの村尾さん
     ◆現代の戦争も 「現代の戦争」の展示では、記憶に新しいイラク戦争のほか、民族同士が争う地域紛争も紹介しています。爆発すると中から鋼の球が飛び散るなど、人を大量に殺すためだけに作られた恐ろしい爆弾も置かれています。
     館内では約二十人のボランティアが案内役を務めます。その一人、村尾孝さん(七七)は十六歳で満州に送られ、終戦後はソ連の捕虜(ほりょ)になった戦争体験者。「あの戦争で家族や友達がたくさん死にました。語り部をしているのは生き残った者の負い目。どのようにして今の平和があるのか考えてもらいたくて一人一人に語りかけています」と思いを話してくれました。
     ◆世界の子どもたちは 二階の平和創造展示室に入ると、銃を手にした少年兵や泥水を飲む子どもの大きな写真が目を引きます。また「世界で飢餓(きが)のため一日に死んでいく人は何人?」などと問題が書かれたサイコロもあります。貧しさや差別、環境破壊などさまざまな問題の中で生きている、皆さんと同じ年ごろの人が世界にはたくさんいることを伝えるため、工夫が凝らされています。また、そうした問題の解決を、市民が自ら取り組む緊急人道支援や国際交流などの活動も紹介しています。
    戦争で亡くなった芸術家の卵の作品が並ぶ「無言館」京都分館
    「一人一人が問題を主体的に考えて」と語りかける安斎館長
     ◆館長から 最後に安斎育郎館長(六六)がメッセージを贈ってくれました。「平和な世界とは戦争がないだけではなく、すべての人が力を十分発揮できる豊かな世界のこと。来館して、問題を知るだけではなく解決するためにはどうしたらいいのか、自分ならどうするか主体的に考え、一歩を踏み出すきっかけにしてください」
    【メモ】 京都市北区等持院北町。京都市バス立命館大学前下車、東へ徒歩5分。午前9時半―午後4時半。月曜休館。大人400円、中高生300円、小学生200円。国際平和メディア資料室には2万点近い平和関連の図書や映像、音声資料がある。問い合わせはTEL075(465)8151。
    再現された戦時中の民家。爆弾を落とす目標にならないよう電灯が黒い布で覆われているね
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