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君が幸せならそれだけで

【質問】お父さん一人残して、三重から京都に引っ越してもいいですか?

 「今は三重に住んでいますが、前に住んでいた京都の方が好きです。大学進学を機に、お父さん一人を三重に残して、母と妹と私は京都に帰ってもいいですか?」

高校2年女子

ハラダの答え

 今回はメールではなく、手紙で相談を頂いた。お手紙ありがとう。

 お父さんの仕事の関係で、京都から三重に家族で引っ越したという相談者さん。京都での暮らしが懐かしく、日々帰りたい気持ちを募らせているというお母さんの思惑も手伝って、京都の大学に進学するか、それとも三重の実家から通える大学に進む道か、迷っているという。京都に戻りたい気持ちと、自分の京都行きが決まれば一緒についてくるであろうお母さんを思うと、ひとりお父さんを残して行くのが忍びない気持ち。その間で揺れている。

 家族というのは不思議なものだ。一緒に過ごす時間も家族によってまちまち。「家族を大切にする」と言っても、その方法はそれぞれに違ったりもする。無条件で繋がりがあるのに、コミュニケーションが出来ていない場合も沢山ある。育ててもらっていたはずが、いつの間にか介護をしないといけなくなったりもする。

 僕は基本的に「子供は親のスネがあるうちはかじっても良い」「親は子供の人格を出来る限り尊重すべき」と考えている。随分と子供びいきな考え方だ。子供の仕事は、一杯愛されることなのではないかと思う。幸せそうな顔でまっすぐに親の愛を受け取ることで、親は本当に励まされるし、頑張れるものだと思う。

 「お父さん一人残して、京都に戻ってもいいのかな?」という質問に対する僕の答えは、「戻ってもいいし、留まってもいい」だ。君がお母さんの気持ちを考えてくれたこと、お父さんが一人になると寂しいかなと想像してくれたこと。子供として親に対する愛情はもうそれだけで100点満点だろう。でも、まずは自分の人生をしっかりと見つめるべきだ。君は、君の人生を歩み、もしかしたら、やがて自分の家族を持ち、親になるかもしれない。君が自分本位で人生を考えられる時間は、そんなに長くはないかもしれないのだ。

まだ10代。もしそれが許される環境にあるなら、今一番大切なことは、自分自身の人生を自分のために生きることだと僕は思う。大学時代どんな勉強をしたいか、将来どんな仕事に就きたいか。全力で自己投資をして成長しないと、誰かのために生きることなんて出来ない。それは、自分のことだけを考えるというのとは全く違う。

そしてもう一つ。どちらの選択をしたとしても、自分のために選んだとちゃんと思うこと。そう思える選択をすること。留まることですごく嫌な思いをしたり、京都に戻って予想外の苦労を抱えたりしたとしても、「お父さんのせいで」とか「お母さんのせいで」と責任を押し付けないために、これも大切なことだ。

「君が幸せならそれだけで」 作詞作曲:原田博行

歌詞

photo by かつらかづみ

美味しいって顔に書いてある
楽しいって顔に書いてある
嬉しいって顔に書いてあるよ 
君が幸せならそれだけでいいな

生まれて来た日の君の顔 
いつの間にこんなに大人になったんだろう

頑張るって顔に書いてある
負けないって顔に書いてある
ありがとうって顔に書いてあるよ 
笑いながら一緒に歩けただけでいいな
君が幸せならそれだけで




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【2019年3月22日】