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京都工業会会長 服部重彦氏

中小にも大きな商機
服部重彦氏
はっとり・しげひこ 山梨大工学部卒。1964年、島津製作所入社。93年、取締役国際本部専門部長。常務を経て2003年に社長。09年から会長。京都工業会は10年から会長。三重県出身。72歳。
 日本経済は消費税増税の影響を乗り越えて再び内需主導の本格回復軌道に乗ることができるか。京都工業会の服部重彦会長は、京都の中小製造業が「大きなチャンス」を迎えていると強調する。

 -消費税増税から2カ月。京都の製造業の現状は。
 「製造業全体で見れば影響はほとんどない。小売りは駆け込み需要の反動が出ているが、工業会の会員企業はBtoB(企業間取引)のため前年同期並の水準を維持している。今夏のボーナスも増える見通しで、内需も伸びる。円安が続けば輸出も堅調に推移するため楽観視している。政府の成長戦略、規制改革にも期待したい」

 -中小製造業の事業環境をどうみるか。
 「京都高度技術研究所が拠点のシリコンカーバイドの開発や京都大などの大学発新産業創出拠点プロジェクト、関西圏での戦略特区など国のプロジェクトが多くあり、資金も流れ込んでいる。中小企業にとっても大きなチャンスだ。工業会が入り口となり、会員企業に参画を呼びかけたい」

 -内需の伸び悩みが予想される中で、海外進出が難しい中小製造業が進むべき道は。
 「大手の仕事をしながら国のプロジェクトに参加し、自立するための自社製品を持つべきだろう。必ずしも海外に出て行く必要はない。島津製作所の取引先約150社でつくる島津協力会への発注額は年間約500億円で2008年のリーマン・ショック前と変わっていない。日本は本当に空洞化しているのか。少子化の影響も、海外から労働者や研究者、観光客をもっと受け入れることである程度緩和できるはずだ」

 -京都工業会の会長は3期目に入った。
 「人材育成がもっとも大事だ。新たに始めるモノづくり革新道場では、革新の基になる活動や組織の在り方を学んでほしい。3Dプリンターの試作への活用方法も考えたい。京都経済センタービル構想は役割や機能など中身の議論になってきた。今夏には方向性を決めたい」

【2014年06月21日掲載】