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仏そば料理の魅力伝え

SOBACafe さらざん代表 橋本陵加さん
SOBACafe さらざん代表 橋本陵加さん
SOBACafe さらざん代表 橋本陵加さん

 そば粉の生地を薄く焼いたフランス料理「ガレット」のカフェを京都市下京区で経営する。そばの直接仕入れや、プロを目指す人向けのガレット教室も手がけ、生産から加工、消費に積極的に関わる。「日本の農業を元気にしたい」。根底には熱い思いがある。

 大学で農村や農業について学んでいたが、「大学の勉強はぬるい」と退学を思い詰め、一年間休学して国内各地をバイクで見て回った。結局自分に何ができるか分からず、「とにかく大学を終えることが大事」と考えるに至った。

 卒業後、農業法人で2年間働いたが、生産者としての関わりに限界を感じ、大学院に入学。そこで、そばと出合った。そば栽培の学生活動を「チームそば」として組織化し、そばの菓子作りを始めた。手作り市での菓子販売をきっかけに、起業を決めた。

 当初は「お金の工面でノイローゼになりかけた」ほど苦労した。流れが変わったのは、客が具とソースを選んで好きなガレットを注文できるようにしたころから。店の特長になり、徐々に認知された。

 オープン後1年はあえて「農業振興」を強調しなかった。頭で理解してもらうより、「おいしい、楽しいと感じれば、自分のこととして捉えてもらえる」と考えたからだ。フレンチのシェフの父親にも手伝ってもらい、おいしさにこだわった。

 開業者向けの教室も行う。受講した男性が兵庫県で店を開き、そばの魅力を伝える輪が広がりつつある。

 京都市右京区京北に10月下旬、2号店を開く。地元のそばを使った菓子を提供する。台風18号の影響で床上浸水したが、「やるしかないと腹をくくっている」と力強い。

 カフェの客だった会社員の男性と2年前に結婚。「主婦はできていない」と苦笑するが、「一番の支援者の1人」と信頼を寄せる。「まだスタートラインに立ったばかり。仲間を増やしてきたい」

はしもと・りょうか 京都大人間・環境学研究科修士課程修了。2010年さらざん開業。さらざんはフランス語で「そば」の意味。今年3月に第1回京都女性起業家賞京都府知事賞を受賞した。大津市出身。京都市下京区在住。夫と2人暮らし。31歳。

【2013年10月06日掲載】