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伝統工芸で生活を彩る

和える 西日本統括本部長 田房夏波さん
和える西日本統括本部長 田房 夏波さん
和える西日本統括本部長 田房 夏波さん

 「日本の伝統と職人の手仕事を次世代に伝えたい」

 そんな自らの思いを形にしていた会社「和(あ)える」(東京都)に2015年に入社した。女性起業家・矢島里佳社長が学生時代に立ち上げた同社は、全国の伝統工芸職人を起用して作った日用品を販売している。

 京焼や山中漆器、津軽塗りによるこぼしにくい子ども向けの器やコップなど。伝統産業を生活に生かす多彩な製品を販売する京都の直営店「aeru gojo」(京都市下京区)を任され、ホストマザー(店長)を務めてきた。

 大阪府枚方市出身。大学卒業後、東京の化学会社に4年間勤めた。経営企画などの部署で働き、充実した日々を過ごした。だが、結婚を経て夫と関西へ戻る道を決意。知人の紹介で矢島社長と出会い、その理念にひかれるままに京都へ。「伝統ある京都での仕事に最初は不安があった」という。だが、「京都について教えてもらいながらやっていこう」と心を決めて出店準備。松原通室町東入ルで借りた町家を店舗とし、開店後はいろいろと声をかけてくれる地元住民の優しさにふれ、すぐに打ち解けていった。

 店舗では、さまざまな企画を実現させた。全国各地から職人を呼んでの講演会、京都の若手職人が集う展示会、子ども向けの食事の所作講座…。開いてきたイベントから「全国から産地の職人や市民が集い、違う文化を知ることで、お互いを尊重して大切にすることができる」と素直に感じた。

 最近は外国人観光客も多く訪れる。大学時代に身につけた語学力で「自社の陶磁器を『金継ぎ』で直し、長く使うことを説明すると、日本人の精神性に感銘を覚えて帰っていく」という。
 7日に開店3周年を迎えた。この機会にホストマザーを退き、現在は西日本統括本部長として活躍する。注力しているのは各地のホテルで内装を工芸職人と作り上げる「和えるルーム」の展開だ。これからの目標を「伝統の素材を生かしたバランスよい空間を作っていきたい」と見据えている。

たぶさ・なつみ 京都教育大付属高から神戸大国際文化学部へ進み、卒業後、住友化学に入社。2015年に「和える」に入社し、京都直営店「aeru gojo」の立ち上げに携わり、ホストマザーを3年間務めた。現在は西日本統括部長としてさまざまな企画や事業を手がける。夫と2人暮らし。大阪府高槻市在住。30歳。

【2018年11月11日掲載】