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女性目線で車を提案

dear Sign 堂国 奈見子さん
dear Sign 堂国 奈見子さん
dear Sign 堂国 奈見子さん

 木と白く塗った壁でつくったガレージに、こぢんまりとしたカフェ風の商談スペース。守山市欲賀町の住宅地に建つ自宅の横にしつらえた店舗に立ち、明るく接客する。前面に打ち出すのは「女性のための車屋さん」。夫婦二人三脚で、顧客ごとの生活や好みに合った自動車選びを丁寧にサポートしている。

 2013年に夫の亮平さん(38)が起業し、自動車販売店「dear Sign(ディアサイン)」を自宅で開いた。ディーラーのように在庫や試乗車は持たず、じっくり相談してぴったり合う1台を膨大な新車や中古車の中から選び出す。当初は主婦のまま事務や洗車を手伝い、長男が小学校に入学した昨年から本格的に事業に関わった。

 過去にディーラーや車載部品メーカーで勤め、自動車をこよなく愛す夫と対照的に、自分の「クルマ観」は移動手段でしかなかった。18歳で初めて取得したマイカーは、価格が安い軽乗用車。車好きの男性が熱く語る走行性能やパワーには心が動かなかった。

 「女性はスペック(仕様)でなく、生活の中の一つとして車を見る。女性視点で『乗りたい』と思う情報発信が少なかった」。夫が中古で購入した愛車「MINI(ミニ)」で琵琶湖や近場の公園に出かけ、子どもや四季の風景とともに収めた写真をSNSのインスタグラムに投稿。ライフスタイルにさりげなく溶け込む車を演出した。

 商談も女性目線のアドバイスを貫く。ファッションやメークだけでなく、家づくりにもこだわる女性が増えてきたが、「車だけが極端に遅れている」と感じるからだ。車選びを主導する夫とそれに従う妻。そんな場面のたび、理想の生活像や多用する乗り方を丹念に聞き取り、コストと折り合わせながら夫婦ともに満足する車種を絞り込む。

 「よく知らない」と妥協する車選びではなく、何が必要で何が譲れないのか整理整頓する。時間はかかるが、納得の1台に乗る喜びは大きい。「車と女性を結び、輝く生き方を応援したい」と力を込める。

 どうくに・なみこ 滋賀県立大生活文化学部卒。2004年に京都市の事務処理機サービス会社に入社。09年に結婚、退職。夫が自宅で開業した自動車販売店に18年から関わり、ウェブ広報やコンサルティング営業を担当する。夫と小学生の子ども2人の4人暮らし。長浜市出身。37歳。

 

【2019年07月14日掲載】