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開発進むコラボ商品

複数業者連携、強み生む
新商品の試験販売の現状と今後のあり方を話し合った販売促進会議(高島市安曇川町・市商工会)
新商品の試験販売の現状と今後のあり方を話し合った販売促進会議(高島市安曇川町・市商工会)
高島市商工会がバックアップしてできた新商品「燻製にんにく醤油」と「食べる燻製にんにく醤油」
高島市商工会がバックアップしてできた新商品「燻製にんにく醤油」と「食べる燻製にんにく醤油」

 高島市内で、複数商店などによる商品の共同開発が注目を集めている。老舗醤油(しょうゆ)店と農家、燻製(くんせい)工房がこのほど試験製造した新商品「燻製にんにく醤油」は、市商工会が支援して毎月販売促進会議を開き、商品の改良や販路拡大に取り組んでいる。各事業者は「一人では難しい商品開発や販路拡大を協力して行うことで、本業にも生かせる」と意気込む。

 「マルイ醤油」を製造する同市安曇川町、岩佐商店の社長岩佐浩治さん(53)、同町の農業横井貴志さん(43)、マキノ町でスモーク工房杣人(そまびと)を営む平田正紀さん(58)。平田さんが基本アイデアを持ち込み、商工会が3者を引き合わせた。
 スモークしてこくやうま味を出したニンニクを漬け込むのが特徴。昨年7月から、さまざまな試作品を検討。漬け込んだ後のニンニクの活用を考える中で、刻んで再び醤油と合わせ味付けした第2の商品「食べる燻製にんにく醤油」が誕生した。

 各500本を製造し、各地の物産展や市内の道の駅などで試験販売している。好意的な反応が多く、6月のニンニク収穫を待って増産し、本格販売に移る予定だ。

 先月中旬の販売促進会議では、「食べる-」(1500円)の販売が「燻製-」(千円)に比べやや伸び悩む現状が報告され、価格を再検討する必要性や、万能調味料として売るだけに「レシピ本が必要」との意見が出された。県内の道の駅に売り込み、ネット販売のホームページ作成を急ぐ方針も示された。

 市商工会の青木隆事務局長は「農業と商工業の連携は、年に1度しか生産できない農家と、何回でも生産でき、可能なら安い原材料が欲しい製造業者の感覚のずれがあり、農家は単なる材料提供者になりがち」と指摘する。このため今回、試作や販路拡大など全てを3人が協力して行った。横井さんは「農業者が加工して販売する6次産業化が今後の課題。今回の経験を本業に役立てることができる」と話す。

 市内では、和菓子店とも栄(安曇川町)と池本酒造(今津町)のコラボ商品として酒まんじゅうが誕生。食品事業を手掛けるヤサカ(今津町)と、びれっじ(勝野)内の「カフェ アリビオ」の連携で、ふなずし由来の乳酸菌を使った米粉ヨーグルトアイスが生まれている。

 青木事務局長は「中小企業は、大企業のように商品開発部門を持つのが難しい。数社集まり弱点を補うことで、新たな挑戦ができる」と共同開発の利点を強調する。

【2016年04月10日掲載】