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輸入車販売店、草津・栗東に集中

交通の便など好条件多く
メルセデスベンツ、ジープ、ミニの販売店が軒を並べる国道1号沿い(栗東市)
メルセデスベンツ、ジープ、ミニの販売店が軒を並べる国道1号沿い(栗東市)

 メルセデスベンツ、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)、プジョー、シトロエン、ボルボ、ジープ。車好きが憧れる高級車や有名ブランドの輸入車販売店が、草津、栗東両市の国道沿いに集中している。背景を探ると、宅地開発が盛んで、交通の便が良く、土地も確保しやすい―など、いくつもの好条件がそろっていることが分かった。

 4年前に草津市内に出店した「フォルクスワーゲン草津」。大津と栗東にすでにVWの販売店があるが、隣接する草津をあえて選んだ。瑜伽(ゆか)篤史支店長(42)は「草津の新興住宅地や大津の青山地域の住民、JRA栗東トレセン関係者らは輸入車に乗っている人が多く、ビジネスとして成り立つと判断した」と話す。

 瑜伽さんは京都市や宇治市でもVW販売店の店長を務めたが、比較すると草津店の客は30~40代のファミリー層が目立ち、ミニバンタイプが売れる。「持ち家を買い、次は車を国産からステップアップしたいと考えるお客が多い」という。

 草津、栗東両市の国道1号と同8号の沿道には輸入車正規販売店が約15店ある。ここ数年で開業した店舗も相次ぎ、「京阪神の中でも輸入車販売の注目エリア」と、「プジョー栗東」などを営み、滋賀県輸入自動車販売店協会の事務局も務める中嶌孝史アイエーシーインターナショナル社長(46)は話す。理由として湖南地域の土地柄を挙げ、「宅地開発が盛んで、大阪や京都で働く他地域出身者が移り住むベッドタウンとなっている。所得も比較的高く、輸入車への抵抗感もない人が多い」とみる。

 一方、1991年から栗東市で営業する「メルセデス・ベンツ栗東」の吉海江(よしかいえ)学支店長(53)は「当時は田んぼばかりで、今のような人口密集地でなかったと聞く。この場所にしたのは、名神高速栗東インターが近く、車で来店しやすいからでは」と話す。12年前に開業した「シトロエン栗東」の福井正弘社長(72)も、交通の便に加え、整備工場に必要な広い土地が比較的安価で手に入った点を理由に挙げる。

 県内の輸入車販売数も増えている。海外メーカー日本法人などが加盟する日本自動車輸入組合(東京都)の統計によると、県内の新規登録台数は2018年に3648台で、リーマンショック後の09年の2倍以上となり、この20年で最多を更新した。

 好調の裏で、販売現場へのしわ寄せもある。福井さんは昨年2月に店舗を建て替えた。「納車ルームを備えることや、広さ、壁の色、備品の椅子までメーカー側が指定する。うちには大変な出費だった」と打ち明ける。輸入車販売店の運営会社は、全国規模の会社から地場企業まで大小さまざまだが、近年、ブランドイメージを高めたいメーカー側がショールーム改装を推し進め、運営会社の経営を圧迫しているという。ある販売店関係者は「無理なら販売契約を打ち切ると圧力をかけてくるメーカーもある。地元資本では経営が行き詰まり、大手しか生き残れないのではないか」と危機感をあらわにする。

【2019年02月18日掲載】