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任天堂 古川俊太郎社長

スイッチ拡販ソフトが鍵
切り開く2019


古川俊太郎社長
古川俊太郎社長

 ―スイッチの年間販売目標2千万台に届きそうか。
 「容易な数字ではなく、年末や年明けの動向を慎重に見極めたい。発売3年目に入ると新鮮さも薄れてくるので、ソフトを出し続けることが最も重要だ。外に持ち出せる据え置き機であり、プレースタイルを変えられる点もアピールしたい」

 ―スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO」とスイッチを連動させた。
 「スマホはスマホなりの遊び方があり、全てゲーム専用機と連動させる考えはない。任天堂のキャラクターに興味を持ってもらい、ファンを増やすことが目的だ。ただ、スマホゲームはゲーム機のようにソフトの売り切りではなく、配信後のコンテンツ追加で稼働の向上や収益の安定につながる。年間2、3本のペースで配信を続ける」

 ―工作の要素を組み合わせた新機軸のソフト「ニンテンドーラボ」の状況は。
 「販売数は他の人気ソフトに比べて見劣りするのは事実だが、年末にかけて伸びてきた。新しい遊びの体験ができるので、長く売っていくために魅力を伝える手段を工夫したい」

 ―携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の事業はどうするのか。
 「間もなく発売8年目で、初めてゲームをする人が購入層のメインになってきている。3DSは軽くて携帯性に優れ、価格も手頃。スイッチとのすみ分けはできており、ビジネスは継続していく考えだ」

 ―コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」をどう考えているか。
 「盛り上がりは実感しており、根幹にある対戦や観戦の楽しさは、われわれのゲーム作りの考え方と相通ずる。幅広い年齢の人に経験を問わず遊んでほしいので、国内外でゲーム大会などを主催している。昨年には『ニンテンドーライブ』と呼ぶ大型イベントを京都と東京で初開催した。ただ高額賞金を設ける考えはなく、ファンとの接点を増やすイベントを今後も検討したい」

 ―海外の事業戦略は。
 「将来の成長が見込めるアジアでは、まだやれることがある。中国市場にもチャレンジしたい。スマホゲームの普及により、必ずしもゲーム専用機の進出にこだわる必要はなく、ベストな手段で展開したい」

独創の時代

 デジタル化が進み、従来必要とされたモノや仕組みが無力化する流れがある。娯楽商品を扱う当社は面白くなければ売れないという覚悟で商売してきた。独創と柔軟の精神を大切に、新鮮な驚きのあるエンターテインメントを提供したい。

【2019年01月12日掲載】