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歩きたばこ増加も警戒

禁煙店舗、市の目標遠く

 京都市が市中心部の飲食店を対象に実施した禁煙実態の調査結果によると、禁煙にしている店舗は市の目標を大きく下回り、受動喫煙防止対策は緒に就いたばかりだ。市には2007年施行の路上喫煙禁止条例があり、効果も表れているものの、健康増進法が改正されれば路上での喫煙が増える可能性が高い。市は受動喫煙防止に向け、条例の周知をさらに徹底することなどを検討している。

 たばこから出る副流煙は、喫煙者が吸い込む煙よりも高濃度の有害物質を含んでいる。厚生労働省は、受動喫煙で年1万5千人が死亡していると推計する。脳卒中や肺がんを発症する可能性が高まるほか、乳幼児突然死症候群も起こりやすくなるとされる。

56%への上昇狙うも17年度38%

 市はたばこ対策行動指針(13~17年度)で、全面禁煙を実施する飲食店や宿泊施設などの比率を10年度の27・7%から17年度に56%まで引き上げる目標を掲げていたが、実際は38・5%にとどまった。

 また2月に市内中心部(上京、中京、東山、下京の4区)の飲食店約1千店を抽出して実施した調査結果では、喫煙を認めている店舗が46・7%に上り、全面禁煙が31・6%、禁煙専用室を設けた上での禁煙が6・9%だった。空間分煙は9・7%、時間分煙は5・1%だった。

 受動喫煙を防止するための条例は東京都のほかにも、東京五輪の一部競技が開かれる千葉市をはじめ、万博誘致を目指す大阪府などでも制定を検討する動きが広がる。

 京都府がん対策推進府民会議たばこ対策部会に加わるNPO法人「京都禁煙推進研究会」(中京区)の田中善紹事務局長(68)は「京都市は国際観光都市でもあり、東京都のように一歩踏み込んだ世界標準の受動喫煙対策をしてほしい」と求める。

 一方、市の路上喫煙禁止条例は07年に施行され、一定の効果が出ている。歩きたばこは、健康被害だけでなく、やけどの危険もあるため、市内全域で路上喫煙禁止を努力義務としている。市中心部では、違反者から過料千円を徴収している。市によると、中心部での路上喫煙者は当初、1万人あたり68人だったが、17年10月には2人に減った。

 ただ同条例を所管する市文化市民局は健康増進法が改正された場合、「飲食店などで吸えなくなった喫煙愛好家が路上に出て吸う可能性がある」と影響を懸念。受動喫煙対策を担当する市保健福祉局と連携し、路上喫煙を防ぐ取り組みを強化する。

【2018年07月08日掲載】