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主催者にも「社会的責任」

津久井進弁護士
津久井進弁護士
津久井進弁護士

 事故の多角的な検証や再発防止の慎重な議論に、福知山市や地元商工会議所などの花火大会実行委員会が取り組まないまま5年の歳月が流れた。全国の祭り会場での露店事故は今も繰り返されている。教訓をどう生かすか。組織と事故のあり方に詳しい津久井進弁護士に聞いた。

 事故の刑事責任は露店主個人にあるが、主催者にも「社会的責任」はある。まずは、いまだに後遺症などで苦しむ被害者たちのアフターフォローを、今後もしっかりと尽くしていく義務がある。

 また、果たすべき責任の一つとして、犠牲者に鎮魂の祈りをささげる慰霊祭の開催がある。二度と同じことを起こさない決意を、遺族や被害者らと共有するために毎年、実施すべきだろう。悲劇を後世に伝えてゆくためにも慰霊碑の設置は不可欠だ。

 露店主の過失を問うた刑事裁判は、あくまで直接的な原因を解明しただけ。主催者側が露店主らに対し、どのような管理体制を敷いていたのかなど、事故を引き起こした遠因については、改めて第三者委員会を設置して調査すべきだ。

 主催者側が調査しないのであれば、被害者や支援者らが自らの手で設けるという手段もある。たとえば、2012年に愛媛県の川で保育中の5歳の幼稚園児が死亡した水難事故では、家族が調査委員会を立ち上げ、原因究明を行った。クラウドファンディングなどで資金を募るのも一案だろう。

【2018年08月16日掲載】