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戦後70年、京のある喫茶店

それは満州の屋台から
 河原町の小さな喫茶店、六曜社。敗戦間もない1950年から京都市中京区河原町通三条下ルで営業を続ける。京都を代表するこの喫茶店は、激動の戦後を人々とともに歩んできた。

 学生や多くの文化人に愛され、学園紛争が吹き荒れた60年代は、もがく若者たちが集った。東京・新宿の喫茶店とともに「東の風月堂、西の六曜社」と呼ばれたこともあった。

 今も毎日足を運ぶ常連がいれば、評判を聞いた芸能人がふらっと訪れる。ガイドブックを手にアジアの観光客も押し寄せる。1階と地下1階。混み合えば見知らぬ人と相席になることもある。そして初対面の客同士が語り合う。

 昔の趣を残す数少ないこの喫茶店。そのルーツは70年ほど前にさかのぼる。海の向こうの旧満州(現・中国東北部)で、一人の日本人の男が始めた屋台だった。


【2015年08月19日掲載】