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挽回へ、サンガ再始動 新監督、川勝良一氏に聞く

 全42試合のサッカーJ2は後半戦に入り、京都サンガFCは、川勝良一監督(56)が新たに就任し、J1昇格に向けて再スタートを切った。京都市北区出身で、サンガの前身・京都紫光クラブでもプレーした経験を持つ。厳しい指導に定評がある一方、イラストやデザインが得意という意外?な顔も持つ指揮官に、意気込みや素顔、久々の京都生活を送る感想などを聞いた。

「失点半減」昇格目印に

練習を見る目は厳しいが、時折笑顔ものぞかせる(7月18日、東城陽グラウンド)
練習を見る目は厳しいが、時折笑顔ものぞかせる(7月18日、東城陽グラウンド)
 -まずはサンガの印象を。
 「みんな基本的に個を持っているし、チームに協力しようという姿勢も全体的に高い。ゲーム中に突発的に起こる変化に対応する能力は、それぞれまだ個人差がある。プレーでは、ボールを奪って飛び出すという時に、もっと無理ができるような選手をもう少し増やしたい」

 -選手の特徴は把握できたか。
 「7割ぐらいは。複数のポジションをできるのが理想だが、どこに置けば質の高いプレーができるかは分かった。選手の心理面や考え方は、まだ全部つかみきれないところ。素直な選手(が多い)というのは分かるんだけど」

 -J1に自動昇格するため必要なことは。
 「勝ち点を挙げる上で必要なことは、攻撃のバリエーションを増やすと同時に、失点を(これまでの)半分近くに抑えること。ゼロで相手を抑えることが、昇格への分かりやすい目印になる。危険を察知する能力を持ってる選手が若干少ない。勝負どころで全員(気持ちを)切れず、緊張感のある雰囲気や環境にしていかないといけない」

 -練習中、選手と一対一でよく話をしているが。
 「アドバイスすることで、単純に信頼関係をつくる選手もいれば、サッカー頭脳でもっと複雑なことを考えていて、完璧に指摘されて奥の方に針が届く選手もいる。話すタイミングや性格という深いところを洞察しないと。この人は見抜けないんだと思われたりすると、深い話ができない」

 -選手から厳しいと当初言われていたが。
 「緊張感を持たせるためにわざと演技しているところが多い。緊張感がないと、本番の試合でミスや成功を予測するのも難しい。明るくやろうと言うのは簡単だが、大事なゲームはどうせ緊張する。適度な緊張感は、警戒心や集中力を上げてくれる。サポーターの人が見てくれている中で、凡ミスを連発して平気な選手にはやはり厳しく対応する」

 -普段、選手との関わりは。
 「(法政大のコーチ時代は)選手と風呂も入るし、サッカー好き同士ということでばか話もした。自分も苦しいし、あまり距離を置きたくない」

意外?イラスト得意

 -イラストが趣味と聞いた。
 「たまに楽に描いたりはするけど、最近老眼がきつくて。広告産業がバブルですごかった20代、(日本サッカー)プロ化の前に商業っぽいイラストレーターとして、ポスターを2、3枚ぐらいやらせてもらった」

 「イラストでは食べられないと思い、サッカーをやりつつ2、3年編集の仕事もした。雑誌『セブンティーン』もやらせてもらった。東京ヴェルディ40年誌の表紙もデザインしたし、東京ガス(現FC東京)のユニホームのエンブレムも。自分でデザインしたのを着てプレーしていた」

 「自由な性格なので、絵だけじゃなく食器もデザインは好き。昔から図工は体育と一緒で得意だった。サッカーの勉強でイタリアに行く時も、空き時間があれば美術館に行くし、家具や小物も集めている」

 -京都商高卒業以来の京都生活となる。
 「暑さには半分慣れたぐらい。ちょっと東京とは違うよね。向こうの方がからっとしている感じ。選手は大変だろう。(京都市の)北山出身で、京都のど真ん中は意外と知らない。京都はあまり坂もないし、自転車を買おうかなと思っている。カミさんと。京都人なので、もうちょっと道の名前を覚えないとね」

 かわかつ・りょういち
 「昔はキャベツ畑が多かった」という京都市北区の北山で育つ。現在も実家がある。加茂川中、京都商高(現京都学園高)、法政大を経て、1981~91年まで東芝、読売ク、京都紫光ク、東京ガスでプレー。日本代表として13試合に出場し、木村和司氏らとともに、日本の代表的なMFとして活躍した。その後、Jリーグの東京V、神戸、福岡などの監督を歴任。イタリアサッカーに造詣が深く、たびたび訪問している。高校の同期に久御山高サッカー部の松本悟監督、後輩にJ2北九州の柱谷幸一監督、水戸の柱谷哲二監督がいる。愛称は「ケツさん」。

【2014年07月25日掲載】