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【特集】抜け出せぬJ2 (下)育成型クラブ、なお途上

主力定着できぬ若手

生え抜きのルーキー田村(右)らがデビューしたが、主力としては定着できなかった(6月28日、西京極)
生え抜きのルーキー田村(右)らがデビューしたが、主力としては定着できなかった(6月28日、西京極)
 今季、チームの主軸は、新戦力の大黒(34)や石櫃(31)に加え、工藤(30)やバヤリッツァ(32)らベテランが担った。天皇杯準優勝を飾り、若手が躍動した2012年のリーグの先発平均年齢が24・8歳だったのに対し、今季は27・8歳に上がった。

 経験豊富な即戦力が存在感を示す一方、年間を通じ試合に出た若手は下部組織出身の駒井(22)だけだった。同期の宮吉(22)は4試合の途中出場にとどまり、8月に富山へ期限付き移籍。田村(19)や磐瀬(19)ら新人を含め5人の生え抜きがデビューしたが、いずれも主力としては定着できなかった。

 今井社長は、育成型クラブとしての路線継承を認識しつつ「我々は昇格しないといけない。育てながら強いチームを作るには、まだ時間がかかる。質の高い選手を入れていくしかない」と複雑な胸中を語る。

 しかし、昇格を至上命題としながらJ1昇格プレーオフ圏内の6位にも入れず、過去最低の8位以下が確定した。1シーズンでの監督交代劇に、大きく振れたチームのスタイル。クラブ創設20周年にして負の歴史が繰り返された感すらある。

 今季途中からは、フロント内部の亀裂も決定的になった。複数の関係者は、クラブの意思決定方法に疑義を呈す。ある幹部は「本来、強化部がゼネラルマネジャー(GM)の了解を得て予算や選手編成を考え、GMが責任を取る。だが、それが全部会社が決定している」と明かし、メーンスポンサーの影響力に言及する。クラブの意思決定の遅れにもつながり、夏場に日本人中堅MFの獲得に乗り出したが、最終のゴーサインが出ず、他クラブに先を越されたという。ある幹部は「残念ながら一枚岩ではなかった」と振り返る。

 今井社長は、4年続けて昇格を逃した反省を踏まえ、強化部の刷新と若返りを示唆する。もちろん、強化部の責任は大きいが、今季の失敗を教訓に、クラブの体質や方向性をいま一度、見つめ直す必要がある。

 祖母井GMの辞任も明らかになり、クラブづくりは振り出しに戻る。育成と昇格の両立をどう考えるのか。評価が高まりつつある地域貢献活動をいかに発展させるのか。課題は山積している。

【2014年11月19日掲載】