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前強化部長 野口裕司さんインタビュー 後編

京都には感謝しかない

 京都サンガFC前強化部長の野口裕司さん(45)は、現役を引退してから昨季までの14年間、サンガのスタッフとしてピッチ外からチームを支えた。「ミスターサンガ」として親しまれた野口さんは、「京都には感謝の気持ちしかない」と振り返る。

地元選手、積極的に獲得/昇格できずけじめ

京都サンガFCの強化部長を退任し、取材に答える野口さん(城陽市・サンガタウン)
京都サンガFCの強化部長を退任し、取材に答える野口さん(城陽市・サンガタウン)

 -大宮でプレーした2003年にユニホームを脱いだ後、サンガに戻ってきた。

 「普及育成部のコーチを4年務めた後、強化部のスカウトになった。特に印象に残っているのは、日本人なら中村充孝(現鹿島)や染谷悠太かな。中村はテクニックが抜群で、スカウトになった最初の年に獲得した。染谷は、流通経大で腕を骨折してリハビリしていた間もずっと声をかけ続けたことが、来てくれた理由かも。長くサンガにいてくれるし、うれしいですね。サンガを選んでもらうには、正直に説明すること、誠意、熱意しかない」

 -チームの柱となる外国籍の選手も獲得した。

 「チョン・ウヨン(現神戸)やイ・ジョンス(引退)は韓国代表に選ばれた。ドゥトラ(現コリンチャンス)や2016年に航空事故で亡くなったチエゴも思い出深い。チエゴはブラジルで会った時、日本に行くのが夢だったと喜ばれ、ユニホームをプレゼントされた。亡くなった時はすごくショックだった」

 -15年から強化部長に就任した。京都橘高出身の岩崎ら、京滋の有望な若手が加入した。

 「やはり地元の選手はサポーターの反応が違う。チームが親しまれるためにも積極的に取りたかった。ユース出身も大事だが、なれ合いにならないために、それ以外の選手が絶対に必要」

 -ここ3年は17位、5位、12位と低迷を続けた。

 「試行錯誤した3年間だった。チームのスタイルが決まっていれば、そこに合った選手を見つければいい。しかしサンガはカラーが固まっていない状況だった。監督にやりたいサッカーをしてもらい、結果が出ればそれをサンガのスタイルにしようと考えたが、勝てなかった。現場と強化部のすり合わせも難しかった」

 -低迷の責任を取り、昨季限りで強化部長を退任した。

 「毎年スタートダッシュに失敗してきた。最初に低迷すると浮上するのが厳しい。昇格できず、悔しさとともにサポーターに申し訳ない気持ちでいっぱい。3年間で昇格できなかったら、けじめを付けようと思っていた」

 -今季からセレッソ大阪に移り、スカウトやU-23の運営を担当する。

 「関西のライバルに行くことにためらいはあったが、大津市に家族が住んでおり、近くで働きたかったことが一番の理由。初心に返ってスカウトをやりたい。無名でも良い選手を発掘したい」

 -サンガのサポーターに向けてメッセージを。

 「京都は23年間過ごして、『第一の故郷』になった。語り尽くせない、大切な存在。今回の決断も本当に悩んだが、この世界は結果がすべてなので。サンガは伝統あるクラブだし、早くJ1に上がることを陰ながら応援している。今は歯車がかみ合っていないだけだと思う。フロント、チーム、行政、サポーターが一丸になれば絶対に達成できる。本当に本当に、感謝の気持ちしかない」

【2018年02月17日掲載】