社説 京都新聞トップへ

朝鮮労働党大会  核開発路線認められぬ

 北朝鮮・平壌で、36年ぶりとなる朝鮮労働党大会が始まった。
 金正恩氏が第1書記に就任してから4年余りが経過した。権力基盤の確立を国内外に誇示し、本格的な「金正恩時代」を強調するのが狙いだろう。
 核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」を党規約に明記するなどし、自らを「核保有国」と公式に位置付ける可能性があるが、核・ミサイル開発に突き進む危険な路線は容認できない。
 朝鮮労働党の最高意思決定機関である大会は1946年から80年にかけて6回開かれた。いずれも金第1書記の祖父で国家主席を務めた金日成氏の時代だ。80年の大会では、金第1書記の父で後に総書記となる金正日氏が初めて公式の場に登場した。
 その後、大会が長く開かれなかったのは、経済の不振が続いて報告する成果が乏しかったことが大きな理由とされる。今回は核・ミサイル開発の進展を金第1書記の指導による成果としてアピールした。
 しかし、北朝鮮を取り巻く情勢は厳しい。
 北朝鮮は1月に4回目の核実験を実施し、2月には事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した。いずれも世界の平和と安定を脅かす暴挙だ。
 国連安全保障理事会は3月、核実験とミサイル発射を非難し、制裁を大幅に強化する決議を採択した。北朝鮮への航空機・ロケット燃料の原則輸出禁止と北朝鮮産鉱物資源の一部輸入禁止が柱で、金融制裁なども強めるとした。
 一方で、北朝鮮は企業の裁量権拡大や公認市場の倍増、外資を呼び込む経済開発区の指定などの経済改革を進めている。国際社会が制裁を強めれば、打撃は不可避だろう。
 80年の大会には日本や中国など118カ国の代表団が訪朝したが、今回、外国政府高官らの出席予定は確認されていないという。友好国の中国にも招待状を出していないとされ、関係の冷却化は明らかだ。
 北朝鮮は地対空ミサイルや短・中距離弾道ミサイルの発射も繰り返している。核開発に固執し、威嚇、挑発行為を続けても、国際的な孤立を深めるだけだということを認識すべきだ。
 日本を含む国際社会は結束を強め、安保理制裁決議の履行を徹底しなければならない。実効的な圧力と対話により、北朝鮮に対して核とミサイルの放棄を粘り強く迫っていく必要がある。

[京都新聞 2016年05月07日掲載]

バックナンバー