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バスケ選手買春  代表の自覚なさ過ぎる

 きわめて軽率な行動で残念だ。
 インドネシアのジャカルタで開催されているアジア大会のバスケットボール男子日本代表選手4人が、ジャカルタ市内で買春行為に及んでいた。
 4選手は「競技を離れた場でも社会の模範となる行動を心がける」という規範に違反したとして、日本選手団から代表認定を取り消され、帰国した。
 4人のうち2人はBリーグの京都ハンナリーズと滋賀レイクスターズに所属している。
 日本バスケットボール協会の説明によると、4選手は16日にあったカタール戦後に選手村から日本選手団の公式ウエアを着て外出した。日本食店で食事や飲酒をした後、店の外で4~5人の女性に話し掛けられ、近くのホテルに女性を伴って入った。4人は女性に1人約9千円を払ったという。
 記者会見で4選手は「国旗が書かれた服装でする行為ではなかった」などと反省の弁を述べ謝罪した。
 買春は違法行為である。外国で安易に関われば、人身売買組織などとのトラブルに巻き込まれる危険性もある。
 ましてや4人は代表選手として公費で派遣されていた。公式ウエアで歓楽街を訪れるとは、自覚と思慮を欠いていたと言わざるを得ない。猛省してほしい。
 スポーツ界では、2020年の東京五輪に向けてコンプライアンス(法令順守)の向上が最重要課題になっている。競技団体が選手の自覚を促す取り組みを続けているが、不祥事の絶えないのが実情だ。
 アジア大会では、日本選手団の山下泰裕団長が競技団体に規律ある行動の徹底を呼び掛けたばかりだった。バスケット協会は選手にしっかり伝えたのだろうか。
 スポーツ庁の鈴木大地長官は、国が競技団体に直接指導する必要性について言及した。
 競技団体は選手強化や助成金の窓口としての役割があるが、国に対しては「自治」を保っている。
 だが、東京五輪に向け公的資金が従来以上に投入される中、不祥事が続けば、国として放置できなくなろう。
 鈴木長官は「団体によっては、いい方向に向かわないこともある」と指摘した。
 スポーツは国に管理され強くなるものではない。選手出身でそれを理解している鈴木長官がこう言わざるを得ない事態に、競技団体は危機感を持つ必要がある。

[京都新聞 2018年08月22日掲載]

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