チャレンジ京滋の企業

ゲーム配信でヒット
■携帯電話用圧縮ツール開発
ソフィア・クレイドル
(京都市左京区田中関田町)

杉山社長(中央)のもと、少数精鋭の若いスタッフがツールの開発に臨む(京都市左京区、ソフィア・クレイドル本社)
 日々進化を遂げている携帯電話では、テレビゲームの有名ソフト「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」も楽しめる。ゲームや着信メロディーなど、コンテンツ(内容)のダウンロードは国内では一般的になってきた。

だが、容量が大きいコンテンツをそのままダウンロードすると通信時間が長く、料金は高い。そこに活路を見いだしたのがソフィア・クレイドルが開発した圧縮技術ツールだ。同社は、コンテンツを半分以上に圧縮する技術で業界の注目を浴びている。

 創業者の杉山和徳社長(42)は、京都大理工学部出身。卒業後、日本IBMで6年間働いて退社。大学に戻って博士課程で3年間勉強する傍ら、三菱総合研究所で情報システム構築などを手がけ、コンピュータープログラムを研究してきた。

 起業のきっかけは1999年にNTTドコモが始めたiモードだった。携帯電話によるネット接続の可能性を感じ、2002年に独立。事務所は学生時代を過ごした京都大の近くに構え、念願の起業にこぎ着けた。

 他の携帯電話会社もiモードに追随したが、各社のコンテンツに互換性はなかった。そこで杉山社長は、細分化されたプログラムを一つにまとめて容量を圧縮し、各携帯電話に合わせてソフトを使えるようにしたツール「ソフィア・コンプレス」を開発した。

 これがゲーム業界でヒット。携帯向け圧縮ツールを扱う企業は国内では同社しかないオンリーワン企業のため、現在では、9割以上の携帯電話向けゲームメーカーが同社のツールを利用している。最近は、ケータイ決済のフェリカやGPS地図向けにも利用が進み、ケータイ社会の発展に大きな役割を果たすようになった。

 他にもケータイの画面でパソコンのように複数の機能を同時に表示する「ソフィア・ウィンドウズ」。多関節キャラクターをデザインするゲーム製作ツール「ソフィア・ゲームエンジン」などのツールも製作し、国内外の携帯電話メーカーに取り入れられるまでに認められるようになった。

 今後、目指す方向性は携帯電話向けアプリケーション開発ツール「ソフィア・フレームワーク」を使ったソフト開発者の発掘だ。開発者には無償でツールを提供する。開発者が製作したアプリケーション(応用)ソフトは自社に登録してもらい、それを利用する人から利用料を回収して分配する。その新たなビジネスモデルを2005年度内に立ち上げる計画だ。

2004年9月期の売上高は2700万円程度だったが、本年度は1億円を予測する。創業から黒字も続き、高収益体質を目指す杉山社長は「将来的に25億台規模となる携帯電話の市場は大きい。欧米のゲーム会社からも引き合いが増えてきた。当社のツールを使ったアプリケーションを全世界に広げていきたい」と夢は膨らむ。


メ モ
 ソフィア・クレイドル  2002年2月設立。携帯電話のソフト開発用ツールや圧縮ソフトを製造販売する。正社員数は4人だが、京都大の学生アルバイトや研修生など20代のクリエーター10人も社内で活躍する。2004年9月期の売上高は2700万円。


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