Kyoto Shimbun 京滋の企業 戦略・展望
 近鉄ホテルシステムズ社長・鈴木康之氏  

高級感で外国人急増

 9月の新館オープンで新・都ホテル(京都市南区)を、関西最大級の客室数を持つホテルにリニューアルした。外資系に運営委託したウェスティン都ホテル京都(京都市東山区)は丸3年半で復活の兆しを見せている。相次ぐホテル進出で競争激化が予想されるなか、今後の戦略を聞いた。

すずき・やすゆき 関西学院大卒。1967年に近畿日本鉄道に入社。キンテツコーポレーションオブロサンゼルス社長などを経て、2000年に近鉄ホテルシステムズの常務となり、01年3月から社長。今年6月から近鉄常務ホテル・レジャー事業本部副本部長。大阪府八尾市出身。62歳。
 −新・都ホテルの新館増設の効果はどうか。

 「本館南側に増築した新館(272室)の効果で、全体で客室稼働率はほぼ90%に達している。中庭にはチャペルを新築したが、10月からの下半期で受注が倍増し、婚礼部門にも好影響が出ている。昨年9月から続けたハード面での刷新が終え、運用面での改善などを図る段階だ」

 −ホテル激戦区の京都駅前でどのように営業戦略を進めるのか。

 「本館では修学旅行も含めた団体客を受け入れるが、新館は個人客に特化する。高級感を打ち出した黒色を基調とした和風の客室は旅行会社にも好評で、高級ホテルのネット宿泊予約サイトにも9月から登録・販売している。ファミリー層やビジネス利用に加えて、外国人も幅広く集客を図りたい」

 −ウェスティン都ホテルの現状は。

 「昨年度の売上高は74億円で、運営委託前の2001年度比で2億円増だ。宿泊では、客室平均稼働率は60%から80%になり、レストランなど飲食関連でも約3割伸びた。110年の歴史あるホテルで改革は内部からは難しく、外部の知恵が必要だった。不振からの復興を終え、安定期に入ったとみている」

 −どのように改革を進めたのか。

 「合理的な経理システムの導入に加えて、世界規模の会員組織と予約システムの活用で顧客層が変化した。それまで少なかった外国人宿泊客が4人に1人に急増。団体よりも単価の高い個人客の割合を1割増の7割にした。8月には中庭の古い和風別館を使って、ホテル内で旅館的なもてなしを行う宿泊プランを始めているが、外資系ならではの発想で生まれたサービスだ」

 −同じく外資系のハイアットリージェンシーも来年3月に京都進出する。

 「ハイアットは、京都でもウェスティンレベルの最上級のホテルを展開すると聞いており、かなり意識している。今後、ホテルは高級化と宿泊特化型の二極分化が進むと思うが、ウェスティンは当然、最上級を目指す。1泊3−4万円クラスの部屋は500室のうち200室だが、あと100室はそのクラスに格上げしたい」

 −今後の京都のホテル動向をどうみるか。

 「京都のホテルは、客室稼働率が80%近く好調といえる。観光地としての魅力を考えれば、新規ホテルの進出があっても、数年間は高水準を維持できるが、その後の競争激化は十分ある。当社にとって京都は東京、大阪に並ぶ重点地域として新たなホテル展開を模索したい」

[2005年12月6日掲載]

経済TOPへ