色とりどりの照明、こだわりの内装、心を溶かすジャズやボサノバ。
 日常から離れられる異空間。それが木屋町のショットバーだ。京都市内の中心部、鴨川沿いの御池通りから四条通り約800メートルに50軒以上が点在する。
 「店は客みんなとバーテンダーで作る」は、クーラーカフェの佐伯治郎さん(25)の持論だ。一緒に悩んでくれたり、時には叱ってくれる。個性豊かなバーテンダーらが店の数だけ木屋町にはいる。
 「この街で一番になりたいと思わない。お客さんの持つ木屋町チャンネルの一つになれればそれでいい」。「ビースト」の和中タツヤさん(30)はあくまでも自然体だ。カウンターの向こうとこっち。なくなりそうでなくならない境界線。微妙な距離感が心地よい。隣り合わせた客同士、いつしか一緒に笑ってる。
 周辺に増えた風俗店、遊びの場も市内各地、周辺に分散した。でも、「木屋町が好きだから。人と人とのつながりを楽しんで欲しいから」と、バーテンダーたちはこの町を離れない。にぎやかなネオンにとけ込み、ショットバーの小さな明かりが今夜も灯る…。