「ハロー!」「まいど!」「サラマレイコン!」。バラエティー豊かな言葉が夜ごと、木屋町に飛び交う。食べて、飲んで、しゃべって、パスポートも航空券も持たずに“異国への小旅行”。「生の文化」を体感し、世界を身近に感じられるのも木屋町の魅力のひとつだ。
 週末の夜、雑居ビル1階はイランと化す。ペルシャ料理店「アリババ」には、日本在住のイラン人や旅行好きの客が集い、親しげにあいさつを交わす。香料の匂いや肉料理ケバブ、中東地域で知られたベリー・ダンスショーが気分を盛り上げ、心はペルシャに飛び、客たちの会話は弾む。店長のアッバスさんは「イランのおふくろの味をそろえ、水タバコや雑貨類も現地から取り寄せてます」と、“イランづくり”に工夫を凝らしている。
 英国風パブ「ハブ」は連日外国人客でいっぱいだ。食べて飲むだけでなく、イギリスのパブのように様々な会が開かれる。サッカー観戦は定番で、イタリア交流会…。「語学を通して知り合い、国籍問わず」の集まり「GT」は、金曜の夜に開く。海外を放浪した岸田尚さん(26)が中心となり昨年10月から参加を呼びかけ、今では50人以上がともにグラスを傾け、おしゃべりやゲームを通じて、異文化交流を楽しんでいる。
 ほかに、ネパール、インドネシアの“アジア”から、海外の旅行者らが気軽に顔を出す「スポット」まで、古都の中心街・木屋町には多彩な文化の息吹が流れ込んでいる。