夕暮れ。氷、ビール、お酒を積んだ台車が、集まり始めた人たちの間を縫って開店を控えた店々へ急ぐ。
 氷屋で働いて27年の中山浩志さん(47)は「以前は12人いた従業員が今では2人。不景気のせいもあって前ほどの活気はないけれど、みんな変わらず温かいですよ」と微笑んだ。
 暗くなった通り。深夜まで営業する店を対象としたコンビニ「コスモス」の明かりが道行く酔客らを照らす。25年前、木屋町で遊び育った和田有弘さん(59)がオープンさせた。調味料や菓子類、文房具など店で必要なさまざまな品々をそろえている。「町の様子は変わってしまったけど、ほっとするような、誰かに会えるような魅力は変わらないのでは」。
 うっすらと明るくなった午前6時ごろ。あんなに多かった人はまばらになり、静まり始めた木屋町に笑い声が響く店がある。「お茶漬け バァー・英楽」。木屋町で働く人たちが仕上げの“朝御飯”を食べにやってくる。 悩みを相談したり、愚痴をこぼしたりと彼らの時間を過ごし、家路へ。
 外は明るい朝。駅に向かう人たちとすれ違う。朝日が高瀬川をキラキラと照らしだす。木屋町の朝は、一日の終わりと新しい一日が交錯する。