私の京土産 京都新聞TOP観光面TOP
随時更新します。

◆バックナンバー◆  

  「山中油店」の「生搾り食用椿油」 No11. 

 京都市上京区の西陣に引っ越してきておよそ10年。夕方になると、よく自宅から歩いて15分ほどの老舗「山中油店」まで水車を見に出かけ、店頭で油を試してみる。アボカドオイル、グレープシードオイル。珍しい食用油が並ぶ中で、1年半ほど前、「椿」の文字が目を引いた。「食べられる椿油って?どんな味だろう」。物珍しさから買って帰り、さっそく炒め物に使ってみて、さらに驚いた。想像していたよりもまろやかな、ナッツ類を思わせる香り。炒め物の仕上がりも、いつもよりぱりっとしていた。「ほんの少し使うだけで全然違う。口の中に残る香りが香ばしくて、幸せな気分に浸れました」。

 食用の椿油を知る人が少なく、使ってもらうと必ず喜んでもらえることから、「わが家の土産」として定着した。自宅を訪れる人に手渡し、後で感想を聞くとすでに2本目、3本目を買っていたケースもあった。「見た目にも、照りとツヤが出ます。以前、京都の家庭料理の写真を手掛けたことがあるんですが、今度、料理の写真を撮る機会があったら使ってみようかと思っています」。

 株式会社「山中油店」常務取締役の浅原孝さん(47)によると、風味の良さは熱を加えない特殊な抽出法ならでは。一般的な製法では圧搾機にかける前にツバキの実を蒸すが、加熱しないので、中の栄養素も壊れず、熱で油が酸化するのも防げるという。「椿油の産地、伊豆大島では天ぷらなど揚げ物に使うことが多いようです。菜種油1リットルにつき大さじ1杯入れるだけで、歯触りが違ってしまいますよ」

推薦者

写真家
水野 克比古さん
メモ
「山中油店」
「生搾り食用椿油」は、110ミリリットル入りで1890円。株式会社「山中油店」(〒602−8176 京都市上京区下立売通智恵光院西入508 電話075−841−8537)で購入できる。営業時間は、午前8時半−午後5時。日祝と第2、第4土曜日は休み。