Kyoto Shimbun 1996.12.24

 ウーマン 全国女子駅伝<6>


 
 「結婚しても競技で結果が出せるよ
 う、みんなが努力していかないと」
 と語る浜松さん(東京都内のホテル)
日本陸連女子委員長
浜松ヨシ江さんに聞く


 指導者活躍の場拡大を

 女性アスリートの心は揺れている。「結婚」「走る価値観」「減量」…。競技力向上の一方で、さまざまな現実に直面し、人知れず悩んだり、胸傷めたり。企画のまとめとして女子ランナーの課題解決に努める日本陸上競技連盟・女子委員会の浜松ヨシ江委員長(64)に聞いた。

 摂食障害や疲労骨折の解決探る

 ―長距離を含め女子陸上の現状をどう見るか。

 「長距離競技力の向上は素晴らしい。アトランタでのマラソン、1万メートルの活躍。スピード種目の5千メートルで4位という結果は女子のレベルが高くなったと、世界からも日本の中からも評価されると思う。短距離も明るい兆しが見える」

 ―女子委員会でいま課題になっていることは。

 「ここ数年は摂食障害やウエートコントロールとの関係で疲労骨折というような問題が挙がっている。若年で初潮がないままに陸上を始めた場合の今後も、注目されている」

 ―摂食障害とは何か。

 「要するに拒食症とか過食症のことです。脂肪しょって走るのは長距離選手にはマイナスで、それがやせ願望というものに結び付いていると思う。これは本人もものすごく悩むし、やっかいな問題です」

 結婚で精神的にも安定

 ―結婚に関しては。

 「結婚していい結果を出しているというのは外国ではかなりある。日本でも弘山さんらが走っており、企業の中で結婚して続けて走れるような態勢が整ってくれば、結婚しても出産しても能力のある人は自分の限界というか、可能性を追っていく。こういう生き方はとてもいい。精神的には結婚した方が安定して良い結果が出せると私は思う」

 ―燃え尽き現象についてはどう思うか。

 「バーンアウトといって競技に気持ちが続かないという問題がある。これは長距離に限りませんね。防いでいくには一貫指導が一番いいだろうということは目に見えているんですけど現実は…」

 増え始めた女子指導者

 ―女子指導者の育成は。

 「もっともっと陸上界で女子の指導者が活躍できる場を広げていこうと一つの活動としてやっている」

 ―現場の具体例は。

 「長距離の場合ですと、監督で山下佐知子さんが第一生命で非常に苦労はあるみたいですが頑張っている。都道府県対抗女子駅伝でも監督やコーチとしてだんだん増え始めたし、支援コーチという形で結構、チームについてきている」

 ―女子指導者のメリットは。

 「女子の方が分かりあえる部分というのはかなりある。男性には分からない女の心理的な部分でね。コーチやマネジャーとして、女子の指導者を連れていくのは絶対大切だと思う」

おわり
(運動部 鈴木彰、行司千絵)