京都新聞
紙面特集

「水木しげる 魂の漫画展」
龍谷大学龍谷ミュージアム


「ゲゲゲの鬼太郎」(1985年)

ゲゲゲの世界へようこそ

 日本漫画界の鬼才・水木しげる氏(本名・武良茂、1922~2015年)が生涯をかけて描き続けた作品を紹介する秋季特別展「水木しげる 魂の漫画展」が22日から、京都市下京区の龍谷大学龍谷ミュージアムで開かれる。生原稿や原画をはじめ少年時代に描いたスケッチなど、未公開作品を含む約300点を展示する。

 幼い頃から絵を描くのが大好きだった水木氏は、鳥取県境港の自宅に出入りしていたおばあさん「のんのんばあ」に連れられて見た「地獄極楽絵図」に心を奪われる。その後、太平洋戦争で戦地に召集され、激戦地ラバウルへ。まさに地獄のような光景を目の当たりにし、自身も左腕を失った。

「ねずみ男」を描く水木しげる氏

 復員後は、過酷な体験から目に見えない世界に魅了され、魂や妖怪の世界に創作のヒントを見いだすようになる。40歳を過ぎた遅咲きのデビュー後も幾多の困難や貧しさと戦い、心血を注いで漫画に打ち込む。片腕で独自の画風を模索しながら、理不尽な戦争によって奪われた多くの命の慰めと、今を生きる人々へのメッセージともいえる「魂の漫画」を発表し続けた。

 本展は、第1章「武良茂アートギャラリー~少年天才画家あらわる!」から、第8章「人生の達人 水木しげる」までの構成で、水木氏の歩みと作品を振り返る。「ゲゲゲの鬼太郎」に代表される妖怪漫画のほか、短編や戦記物、人物評など深い探究心と洞察力が生み出した多彩な「水木ワールド」を堪能できる。


「決死の渡海 補陀落浄土」
「悪魔くん 妖怪大襲来」(1986年)
「総員玉砕せよ!―聖(セント)ジョージ岬・哀歌―」(1989年)
「八大地獄の光景」
「鬼太郎・悪魔くん・河原三平」(2009年)
案内
■会  期9月22日(土)~11月25日(日)月曜休館(祝日の場合は翌日)
■会  場龍谷大学龍谷ミュージアム(西本願寺前)
■開館時間午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■主  催龍谷大学龍谷ミュージアム、京都新聞、産経新聞社
■特別協力浄土真宗本願寺派、本山本願寺
■入 館 料一般1200円(1000円)、高大生800円(600円)、小中生400円(300円)
※かっこ内は団体(20人以上)料金
■記念講演会(1)10月7日(日)午後1時30分~3時 「水木しげると日本の妖怪文化」 小松和彦氏(国際日本文化研究センター所長)
(2)11月4日(日)午後1時30分~3時 「戦争体験と仏教『総員玉砕せよ!』をめぐって」 宮崎哲弥氏(評論家)
※(1)は無料だが観覧券が必要。(2)は参加費2000円(観覧券付き)。いずれも会場は龍谷大学大宮学舎で先着400人。事前申しみが必要。問い合わせは龍谷ミュージアム075(351)2500
【2018年9月21日付京都新聞朝刊掲載】