京都新聞
紙面特集

入江 明日香 展
京都高島屋グランドホール

「Le Petit Cardinal」 2014年 丸沼芸術の森蔵
「京都白浪図」
 2018年 作家蔵

りりしく、新風

 銅版画の繊細な線に、水彩や墨、胡粉(ごふん)、箔(はく)など鮮やかな色彩を加えた幻想的な作品で人気の若手アーティスト入江明日香さんの展覧会が3日、京都市下京区の京都高島屋グランドホールで始まる。

 入江さんは1980年、東京生まれ。多摩美術大大学院博士前期課程美術研究科版画領域を修了。2012年から1年間、フランスに留学した。池田満寿夫記念賞をはじめ、数々の受賞を重ねている。

「横浜海航図」
 2018年 作家蔵

 入江さんの特徴は、銅版のエッチング技法を使い、手すき和紙や雁皮(がんぴ)紙に刷り、手彩色、コラージュを施している点。細密な描写、にじむようなグラデーションは、浮世絵のような風合いを帯びる。

 モチーフは無垢(むく)であどけない子どもたちのほか、現代少女の姿をした四天王、移ろうように花と融合していく動物。ドラマチックに叙情性豊かに表現する。横長の大作「Le Petit Cardinal」は、山や川、都市をおもちゃのように遊ぶ子どもたちがユーモラスで、優しい視線が伝わる。

 計80点あまりを出品する初の大規模展は、横浜と京都で開催。それぞれの都市のイメージから作り上げた新作「横浜海航図」「京都白浪図」は、たなびく装束に身を包むりりしい人物像で、古都に新風を吹き込む予感が漂う。

「廣目天」
 2016年 丸沼芸術の森蔵
「多聞天」
 2016年 丸沼芸術の森蔵
「増長天」
2016年 丸沼芸術の森蔵
「持国天」
 2016年 丸沼芸術の森蔵
「冬鶏頭」
 2016年 作家蔵
案内
■会  期10月3日(水)~15日(月)
■開場時間午前10時~午後8時 最終日は午後5時閉場(入場は各閉場30分前まで)
■会  場京都高島屋7階グランドホール(京都市下京区四条河原町)
■主  催龍谷大学龍谷ミュージアム、京都新聞、産経新聞社
■入場料一般800円(600円)、大学・高校生600円(400円)、中学生以下無料 ※障害者手帳提示の人と同伴者1人は無料
■ギャラリートーク&サイン会3、6、7日各日午前11時と午後2時
【2018年10月2日付京都新聞朝刊掲載】