京都新聞
紙面特集

特別展「仏教美術の名宝」
泉屋博古館


「鍍金菩薩半跏思惟像」 朝鮮・三国時代(7世紀)
八瀬・妙傳寺蔵=撮影・深井純

信仰の精華 荘厳の美

 泉屋博古館秋季特別展「仏教美術の名宝」が8日、開幕する。仏教美術発祥の地・ガンダーラの石彫をはじめ、中国、朝鮮の金銅仏、日本の木彫仏や仏画などを展示し、アジアに花開いた信仰の美をたどる。

 紀元前5世紀、インドに生まれた仏教はシルクロードを伝い、中国、朝鮮、はるか日本にたどり着いた。仏を荘厳する美の世界は、日本の風土と反応し、独自の進化を遂げていった。

重要文化財「鍍金釈迦多宝二仏並坐像
太和13年銘」
中国・北魏時代(489年) 根津美術館蔵

 ガンダーラの石彫は、釈迦の生涯をたどる異国情緒豊かな仏伝浮彫(うきぼり)「誕生」など、仏教源流の香り漂う品が会場に並ぶ。金銅仏は、仏教が日本に伝来する前、中国北魏で制作された重要文化財「鍍金(ときん)釈迦多宝二仏並坐像」と同「鍍金弥勒仏立像」、白鳳天平文化の源流をなす唐代の「五尊仏坐像」などを紹介する。7世紀の朝鮮三国時代の作として伝わる京都八瀬・妙傳寺の「鍍金菩薩半跏思惟(ぼさつはんかしい)像」は、近年脚光を浴びる逸品だ。

 また、平安期の国宝「線刻仏諸尊鏡像」のほか、重要文化財「木彫阿弥陀如来坐像」など気品漂う木彫仏、南北朝時代の「紅頗梨色(ぐはりしき)阿弥陀如来像」など繊細優美な仏画も出品する。

 時代や地域に合わせて、多様に変化しながら広がった仏教美術の精華が楽しめる。


重要文化財「鍍金弥勒仏立像 太和22年銘」
中国・北魏時代(498年) 泉屋博古館蔵
国宝「線刻仏諸尊鏡像」 平安時代
泉屋博古館蔵
「鍍金如意輪観音像」
中国・唐時代(8世紀) 大和文華館蔵
重要文化財「木彫阿弥陀如来坐像
大治5年銘」 平安時代(1130年)
泉屋博古館蔵
「愛染明王像」 鎌倉時代(13世紀) 泉屋博古館蔵


案内
■会  期9月8日(土)~10月14日(日)月曜休館 祝日の場合は開館、翌日休館
■開館時間午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
■会  場泉屋博古館(京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町)
■主  催公益財団法人泉屋博古館 日本経済新聞社 京都新聞
■入 館 料一般800円 大学・高校生600円 中学生350円
※小学生以下無料。20人以上の団体は2割引、障害者手帳提示の人は無料。
■関連イベント講演会=10月7日午後1時半、藤岡穣氏(大阪大教授)「金銅仏の新研究-蛍光X線分析の成果」。同館講堂。当日先着100人
仏像をまなぶ特別講座=9月16日「旅するほとけ-ガンダーラ・中国・朝鮮・日本-」、23日「観音さまのはなし-菩薩のスーパースター」。いずれも午後2時から、同館講堂。講師は外山潔・同館上席研究員。要入館料。
【2018年9月7日付京都新聞朝刊掲載】