京都新聞
紙面特集

温故礼讃 ―百花繚乱・相国寺文化圏
相国寺承天閣美術館

俵屋宗達「蔦の細道図屏風」(重要文化財) 江戸時代 相国寺蔵=2期

斬新、風雅 異彩の禅文化

銘雨龍「砧青磁茶碗」 南宋時代 鹿苑寺蔵
伊藤若冲「竹虎図」 江戸時代 鹿苑寺蔵

 京の禅寺・相国寺に伝来した寺宝を一堂に公開する「温故礼讃(らいさん)-百花繚乱・相国寺文化圏」展が13日、京都市上京区の相国寺承天閣美術館で開幕する。雪舟、俵屋宗達、伊藤若冲、円山応挙ら日本美術史に輝く巨星たちの名品をはじめ、墨蹟や茶道具、中国文物など国宝2件、重要文化財16件を含む計約90件160点を展観。相国寺を軸に育まれた文化の層を体感する。

 相国寺は、室町幕府3代将軍足利義満が1392年、夢窓疎石を開山として創建。義満は別荘の金閣に唐物を集め、その孫の8代義政は銀閣に隠遁思想を追い求めた。その中で、代々将軍家の御用絵師を務めた画僧たちは日本の水墨画を進化させ、禅文化は京都の雅(みやび)な空気を帯びていった。

 同展では、日中高僧の交流を伝える無学祖元の国宝墨蹟、絶海中津が中国から請来した文正「鳴鶴図」、同寺で修行した雪舟の「毘沙門天図」などを展示。当時まだ無名だった若冲を抜てきし、描かせた大書院旧障壁画50面(1期)の再現展示は見応えがある。くねくねと立ち昇る竹など、大胆な筆致と構図が楽しめる。水墨の大作「竹虎図」は、その筆勢が若冲らしい。

 斬新なデザイン性と遊び心が光る宗達「蔦の細道図屏風」(2期)、数奇な運命をたどった「佐竹本三十六歌仙絵」(同)は傑作だ。さらに、岩佐又兵衛、長沢芦雪、池大雅の絵画も並ぶ。今春重文指定された応挙「大瀑布(ばくふ)図」は3・6メートルを超える巨軸で、圧倒される。

 茶道具関係では、義政遺愛の品を小堀遠州が記録した巻物「東山殿唐物肩衝覚」などを展示。2期は国宝「玳玻(たいひ)散花文天目茶碗」、本阿弥光悦「赤樂茶碗」が登場する。京都五山の中で異彩を放つ、相国寺を取り巻く文化の姿が浮かび上がってくる。

文正「鳴鶴図」(重要文化財)明時代 相国寺蔵
円山応挙「大瀑布図」(重要文化財)
江戸時代 相国寺蔵

「佐竹本三十六歌仙絵 源公忠」
(重要文化財) 鎌倉時代 相国寺蔵=2期
無学祖元「与長楽寺一翁偈語」(国宝、部分) 鎌倉時代 相国寺蔵

案内
■会     期1期=10月13日(土)~12月24日(月・振休)
2期=2019年1月13日(日)~3月24日(日)
会期中無休
■開 室 時 間午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
■会     場相国寺承天閣美術館(京都市上京区今出川通烏丸東入ル)
■主     催相国寺承天閣美術館 京都新聞
■入  場  料一般800円 65歳以上・大学生600円
中高生300円 小学生200円
20人以上の団体700円
■イ ベ ン ト11月3日午後2時=講演「温故礼讃-相国寺が育んだ文化」高橋範子氏(同館副館長/学芸統括)
【2018年10月11日付京都新聞朝刊掲載】