京都新聞
 紙面特集

京都の染織 1960年代から今日まで展
京都国立近代美術館

Kyoto Textiles:From the 1960s to the Present
小林正和「W³ 」 
1976年 京都国立近代美術館蔵
麻田脩二「FORM-’82」 1982年 京都国立近代美術館蔵

自由に。詩的に。

 「京都の染織 1960年代から今日まで」展が8日、京都国立近代美術館で開幕する。古来、豊かな染織文化をはぐくんできた京都で、現代に花開いた「染」と「織」の作品を紹介する。

鳥羽美花「モンスーン」 1998年

 同館が国立近代美術館京都分館として開設されたのは63年。60年代は、さまざまな美術団体が隆盛し、染織界にも影響を与えた。63年麻田脩二、志村光広、田島征彦ら京都市立美術大(現・芸術大)出身の若い染織家が結成した「染織集団無限大」は、前衛的な大型作品を展開。スイス・ローザンヌの国際タペストリービエンナーレなど国際展では日本人作家が躍進した。より自由に造形するファイバーアートが活気づき、色彩も深い自然の色から鮮やかな化学染料まで広がった。同展は半世紀に及ぶ流れの中で、独自の染織世界を確立した28人の作家を取り上げる。

 ファイバーアート黎明(れいめい)期に布から立体造形を立ち上げた高木敏子、リズミカルな意匠世界を表現した型絵染の伊砂利彦、詩的な創作染色の三浦景生、手作りの道具でダイナミックな造形を追究し続ける小名木陽一らの多彩な作品が並ぶ。中井貞次や澁谷和子ら息長く活動するベテランをはじめ、麻田、志村、田島らの大作も並ぶ。

 また天然染料を生かす紬織の志村ふくみ、シャープな幾何学文を表す京友禅の森口邦彦、中国古代織の「羅」「経錦(たてにしき)」を復活させた北村武資、つづれ織りと絣(かすり)を独自に組み合わせた村上良子、人間国宝4人の作品もそろう。1本の糸から無限に生まれる色彩と造形のハーモニーを楽しめる。

北村武資「桜花文金地立錦裂地」 
1996年 京都国立近代美術館蔵
伊砂利彦「王朝三部作(萌黄、王朝、朽葉)うち朽葉」 1997年 京都国立近代美術館蔵
森口邦彦 友禅着物「雪明り」 
1969年 京都国立近代美術館蔵
案内
■会     期3月8日(金)~4月14日(日) 月曜休館
■開 館 時 間午前9時半~午後5時(金・土曜は午後8時まで 入館は閉館30分前まで)
■会     場京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
■主     催京都国立近代美術館 京都新聞
■入  場  料一般1000(800)円 大学生500(400)円 高校生以下と18歳未満、
障害者手帳提示の人と付き添いの1人は無料。
※かっこ内は20人以上の団体、夜間開館時の夜間割引料金。
■出 品 作 家朝倉美津子/麻田脩二/伊砂利彦/礒邉晴美/小名木陽一/兼先恵子/河田孝郎/喜多川七重/北村武資/久保田繁雄/小林尚美/小林正和/澁谷和子/志村ふくみ/志村光広/高木敏子/田島征彦/鳥羽美花/中井貞次/長尾紀壽/中野光雄/野田睦美/林塔子/福本潮子/三浦景生/村上良子/森口邦彦/八幡はるみ (五十音順)
【2019年3月7日付京都新聞朝刊掲載】