京都新聞
紙面特集

吉村芳生 超絶技巧を超えて 展
美術館「えき」KYOTO

《無数の輝く生命に捧ぐ》(部分)2011-13、色鉛筆/紙
《新聞と自画像 2009.1.22 ジャパンタイムズ》 2009、鉛筆・色鉛筆・水性ペン・墨・水彩/紙

再構築の情熱

 精細で緻密な作風で知られる画家・吉村芳生の作品展「吉村芳生 超絶技巧を超えて」が11日から京都市下京区の美術館「えき」KYOTOで開かれる。

 吉村は1950年山口県生まれ。地元で活動を続けていたが、2007年に東京・森美術館で開かれた「六本木クロッシング2007」に出展された作品が大きな話題となり、57歳で現代アート・シーンに躍り出た。その後も作品を発表し続けたが病に倒れ、13年にこの世を去った。

 本展は、初期の版画や鉛筆でのドローイングが中心の「ありふれた風景」、120色の色鉛筆で描いた花の数々が鮮やかな「百花繚乱」、生涯を通して描き続けた2千点を超える自画像の中からセレクトした「自画像の森」の3部で構成する。

 驚くほど精巧に実物の新聞を再現し、その上に自画像を描いた「新聞と自画像」シリーズや東日本大震災の犠牲者を藤の花びらにたとえた大作など約200点の展示品で振り返る。

 監修した東京ステーションギャラリーの冨田章館長は「現実を細部まで分解し、信じられないくらいの情熱で再構築するすごみ」と評する。写真と見まごうばかりの技巧の先にある、描くことや生きることの意味を問いただす作品の数々に触れてほしい。

《ジーンズ》1983、鉛筆/紙
《SCENE No.40》1983、インク/フィルム
《未知なる世界からの視点》2010、色鉛筆/紙
(C)Yamamoto Tadasu
案内
■会   期5月11日(土)~6月2日(日)
■開館時間午前10時~午後8時(入館は閉館30分前まで)
■会   場美術館「えき」KYOTO(京都市下京区、ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
■主   催美術館「えき」KYOTO、京都新聞
■入 館 料一般900円(700円)、大学・高校生700円(500円)、小・中生500円(300円)
※かっこ内は前売りと障害者手帳提示の人と同伴者1人の料金
■関連イベントギャラリー・トーク
5月11日・冨田章氏(本展監修者/東京ステーションギャラリー館長)
   18日・吉村大星氏(画家/吉村芳生長男)
※要入館券
■問い合わせジェイアール京都伊勢丹075(352)1111
【2019年5月9日付京都新聞朝刊掲載】