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「うつ病の症状」
あせらず継続的な治療を
長岡京駅前メンタルクリニック 所長
中村 道彦 氏

長岡京駅前メンタルクリニック 所長 中村 道彦 氏

 うつ病の増加と原因は。

 うつ病急増の背景には、複雑で孤立化した社会生活、家族・職場や学校・地域といったコミュニティの脆弱(ぜいじゃく)化、健康や生活上の問題に対する患者自身の対処能力の低下など、うつ病を引き起こす要因が増加してきたことが考えられます。さらにうつ病が一般に認知され、患者が病院を受診しやすくなったことも要因に挙げられます。

 症状は。

 心身ともに変化が起こります。感情面では、気分が落ち込んだり悲しくなったりします。気力面では、やらなければならないと思いながらもブレーキがかかって行動に踏み出せず、億劫に感じたりイライラすることがあります。思考面では否定的な考え(マイナス思考)がみられます。身体面では、早朝覚醒のような不眠や、過眠、食欲の減退・増加で1カ月間に体重が5キロ以上も変化することがあります。

 治療について。

 薬物療法のほか、否定的な思考を修正するための認知行動療法や、患者によってはアロマセラピーやマッサージ療法なども用いられます。薬は主に抗うつ薬を処方します。薬の効果が現れるのに2週間程度を要するためその間に焦燥感などの副作用が先に現れることがあります。そのため服薬を中断する方もいますが治癒のためには継続的な服薬が必要です。

現代病としてのうつ病について。

 近年、職場や学校にいるとうつになり、うまくいかないことを他人のせいにするような「新型(ジスチミア型)うつ病」が若年層に増加しています。抑うつ症状は軽いものの長期間続き、ときに重症化して自殺・自傷行為がみられます。新型うつ病の患者には、職場や学校における理解や家族との連携が必要です。

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