(五の一)

 室町通の起源

 室町通の始まりは、平安京の昔にさかのぼる。平安京の南北に通じる規格的な道路の一つに、室町小路と呼ばれる道路があった。その後、平安京が衰退していくと同時に、この室町小路も道としての機能を果たさなくなったが、室町時代に足利幕府が置かれて一躍有名になった。

 ところで、足利将軍が幕府を開いていた時代を室町時代という。日本の歴史には、奈良時代とか江戸時代とか、それぞれに時代の名前が付いているが、それらは政治の中心が置かれた都市そのものの名前を取っている。

 しかし、室町時代という名称は、室町通という一本の通りの名前から付けられたもので、これは室町通今出川付近に建てられた室町殿、別名「花の御所」とも呼ばれていたが、そこに足利氏の邸宅があり、幕府が置かれたことに由来する。そのころから江戸時代にかけて室町通は、京都の中心街としての地位を確立することになる。






 和装卸問屋が並ぶ町なみ

 室町通は、江戸時代には高級織物の問屋街となり、京都でも最も富裕な大商人の集まる通りへと成長していった。問屋街という特徴は、今も変わることがない。通りには数々の和装卸問屋が軒を並べ、品物を運ぶトラックや営業マンの自動車が始終行き来し、また道路に所狭しと駐車している。  

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