The Kyoto Shimbun

事故多発の国道161号高島バイパス高架工事の促進を高島支局・山木秀二

 琵琶湖西岸で京阪神と北陸を結ぶ陸の動脈・国道161号の高島バイパス(高島市勝野−同今津町弘川)で近年、交通事故が多発している。同バイパスは計画区間の約半分が側道を国道本線として使う暫定的供用状態が10年以上続き、地元の生活道との平面交差が多いため車同士の出合い頭の衝突が目立っている。国は、側道利用区間の平面交差を解消するための本線高架工事を進めているが、工事完了の見通しは立たないままだ。

渋滞解消の一環
   滋賀国道事務所(大津市)によると、国道161号は大津市と福井県敦賀市を結ぶ全長119・6キロ(県内72キロ)。高島バイパスの高架工事は、国道の渋滞解消策の一環として行われている西大津バイパス(大津市、全長11キロ)の全線四車線化と志賀バイパス(志賀町、全長六・四キロ)の延伸などと並行して進められている。

高架工事が進む中で、側道の暫定的な利用が続く高島バイパス(高島市勝野)
 このうち、高島バイパスは1970年四月に着工。93年6月、約7キロの側道を利用して全長15・3キロ間の供用を開始した。側道の暫定的利用は県南部の国道1号や国道161号西大津バイパスなど交通量の多い「重点区間」の整備を優先させるため予算が少ない中での決断だった。

 側道利用区間の本線高架工事着工は2002年9月から動き出した。沿線市町の首長らでつくる国道161号改良整備促進期成同盟会(事務局・大津市)などから事故防止への強い要望を受けてのスタートだった。

 現在、同バイパス南部にあたる旧高島町の約3キロ、旧新旭町の約1・5キロで本線高架工事が進められ、この区間について滋賀国道事務所は「2−3年以内に工事を完了させ、供用開始したい」としている。だが、両区間にある旧安曇川町内の約2・5キロは見通しがまったく立たないままだ。その理由を同事務所は「予算が十分でない」という以外、明らかにしない。

 高島市新旭町の高島バイパス交差点付近で、工事中の高架橋脚を眺めながら団体職員の女性(55)は「いつになったら完成するの」とため息をもらす。この付近での交通事故を再三、目の当たりにしているからだ。「早く完成して立体交差になれば事故は減ると思う」。

46%が側道区間
 同バイパスの側道利用区間内には、住民の生活道路となっている市道や県道との平面交差が13カ所ある。国道を横断するには分離した上下車線の側道(各4メートル)と本線工事予定地(最大幅21メートル)を超えなければならない。バイパスを利用する運送会社社長中田国博さん(42)=同市勝野=は「途中で信号が変わって無理をして横断する車が多く、出合い頭で衝突しそうになることがたびたびある」という。

 高島署によると、過去5年間に発生した高島市内の国道161号での死亡事故を含む人身事故371件のうちバイパス側道区間での事故は46・6%を占める。その割合は年々、増加傾向にある。交差点での出合い頭の事故が大半を占め、「事故多発の欠陥道路」との声も聞かれる。

 海東英和高島市長は「地元は早くから、用地買収で協力している。市民の安全確保のために国は誠意を見せてほしい」と高架工事の早期完了を強く訴える。

 西大津バイパスと志賀バイパスの整備が、高島バイパスより早く進めば、通行車両の増加も予想され、「事故の危険性は、さらに高まる」との懸念さえ出ている。

[京都新聞 2005年4月29日掲載]

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