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地方創生 問うべきは国の本気度

報道部 高橋晴久
地方創生について語る石破担当相。東京一極集中を転換するため、国の取り組みも求められる(1月24日、京都市左京区のホテル)

  地方が当事者として懸命に努力するのは当然だ。だが、インフラ面を始め、地方が知恵と工夫だけで東京とまともに張り合えるような条件整備はなされているだろうか。

 例えば北陸新幹線だ。3月に金沢まで開通し、東京−金沢間の所要時間は1時間強短縮され、2時間半となる。東京と北陸の中心地が直結されることで、両者の観光や経済面でつながりが強まると見られている。一方、敦賀から大阪までのルートや開業時期は依然として未確定のままだ。

 京都府内を南北に貫く京都縦貫自動車道は、1973年に事業化されてから40年以上たった新年度にようやく全線開通する。しかし関西の高速道路では、まだ新名神高速道路や京奈和自動車道などがつながっておらず「ミッシングリンク」は多い。

 インフラで最たるものは、最高時速500キロで走り、新たな国土軸となるリニア中央新幹線だろう。現行計画では、東京(品川)−名古屋間が27年に開通するものの、大阪まで伸びるのは18年後の45年だ。子どもが生まれて高校を卒業するまでと考えれば、いかに長期間の空白だろうか。

 リニアの事業主体はJR東海とは言え、計画を認可するのは国だ。京都市がリニアで京都駅ルートの実現を求めるのに加え、大阪までの開業前倒しを強く主張するのも、国土軸から切り離される期間が長いほど関西の地盤沈下が深刻になるとの危機感からだ。

 国は地方創生に絡み、本年度補正予算案で4200億円の地方向け交付金を計上した。このうち2500億円の使い道がプレミアム付き商品券発行や灯油購入補助など一時のカンフル剤だと知って脱力している。新年度予算案でも地方創生関連で約1兆4千億円を積んだというが、資料を見れば従来の事業の名目を変更した内容も目につく。

 地方創生が目指す東京一極集中の打破に異論はないが、その実現には国土構造を大きく見直す視点は欠かせないと感じている。地方創生で一番問われるべきは、国の本気度ではないか。

[京都新聞 2015年2月4日掲載]

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