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高まる前原氏の存在感 民進再生へ実力どう発揮

東京支社 鈴木雅人
民進党代表選後、支援を受けた議員らに感謝を伝える前原誠司氏(9月15日、東京都港区内のホテル)
民進党代表選後、支援を受けた議員らに感謝を伝える前原誠司氏(9月15日、東京都港区内のホテル)

 9月の民進党代表選に政治家として浮沈をかけて挑んだ前原誠司衆院議員(京都2区)は、女性によるイメージ刷新を訴えた蓮舫氏に大敗した。だが、蓮舫新代表は出だしから自身の二重国籍問題でつまずき、党の支持率は思うように回復していない。蓮舫執行部と距離を置く非主流派は代表選後も連携を強めており、前原氏の存在感はむしろ高まりつつある。

 代表選から2週間後の先月29日。前原氏が選挙応援を受けたグループの会合に姿を見せた。「代表選で訴えた社会の実現に向け、また協力して一緒にやらせていただきたい」。今後のグループ間の連携に期待感を示し、メンバー全員と握手して回った。

 前原氏は「ここで出なければ過去の人になる」(府内の国会議員)とも言われた代表選で、党員・サポーター票と地方議員票で蓮舫氏の半分にも届かなかった。だが、前原氏を応援した大畠章宏氏、長島昭久氏、旧維新の党など非主流派の各グループは、前原氏を交えた月1回程度の合同勉強会の開催を検討するなど協力関係を強化している。

 メンバーは総勢40人を超え、党内最大となる規模だ。代表選で参謀を務めた小川淳也衆院議員は「新しい前原氏のイメージを打ち出せ、いい布石を打てた。非常に意味がある選挙だった」と振り返る。

 その大きな要因となったのが、前原氏が党の目指すべき社会像として示した「オール・フォー・オール」だった。税の再分配により社会保障を充実させる新たな理念は、「党内保守系の代表格」とのイメージを脱し、リベラル系との連携を呼び込んだ。政治信条などの違いを超えて柔軟に対話する姿勢も、民主党時代に敵対した旧維新系議員の支持につながった。

 旧維新では、江田憲司代表代行と路線対立した松野頼久氏ら旧民主出身議員が勉強会への合流を協議している。「代表選でできた仲間を広げていけば、今後につながる」と期待する声もあり、前原氏を核としたグループ再編に発展する可能性も出ている。

 一方で蓮舫氏は、二重国籍問題で説明が二転三転し、党内外で批判を浴びている。代表選で次期衆院選を目指す総支部長の票を「10票は取り逃した」(蓮舫氏支援の衆院議員)のも、「選挙の顔」として不安視されたためだ。党人事で幹事長、政調会長の中枢ポストを自身の所属グループで固め、選挙支援した旧社会党系グループが猛反発するなど、早くも「蓮舫ブームは吹き飛んだ」と先行きを懸念する声が聞こえ始めた。

 前原氏は「時代に求められるよう、常々準備しておくことが大切だ」と、再挑戦への意欲を隠さない。永田町では衆院の「年明け解散」の観測が広がっている。政策づくりや選挙応援を通じて党再生にどう力を発揮していくかが問われている。

[京都新聞 2016年10月12日掲載]

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