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 京都新聞は、観光都市京都のパワーアップを目指して企画「観光・京都おもしろ宣言」をスタートさせました。人々の価値観はいま、物の豊かさから心の豊かさに移りつつあります。京のまちは伝統、歴史、自然環境と、どこを取っても格別な魅力をたたえてきました。京都新聞はそうした魅力に光を当て、京都を元気にする紙面を多彩に展開するとともに、フォーラムやイベントの開催、伝統文化体験の案内など、さまざまな「おもしろ」企画を発信していきます。

商業・娯楽施設 にぎわい創出

伝統の素材と新しいデザインを融合した繊維製品が並ぶ京都スタイル(京都市中京区・新風館)

 京都市内に次々登場している商業・娯楽施設が、新たな観光スポットとしても人気を呼び、京都観光のすそ野を広げている。

 5年前に旧京都中央電話局舎の洋館を活用してできた「新風館」(中京区烏丸通姉小路下ル)は、懐古的な雰囲気が若者を中心に人気を集めている。中庭は約1500人を収容でき、着物などの発表会や音楽会などを繰り広げる。

 その3階に2004年10月にオープンしたのが、京都府の起業支援施設「京都スタイル」だ。約250平方メートルに現在10店が入居し、京都の伝統素材と新しいデザインを融合した繊維製品を販売している。

 サクラやキクなどの模様を染めたデニムやドレスなどが並ぶ「purapura」。京友禅型染めの谷口染型工房(西京区)が洋装展開の一環で出店した。谷口智恵子チーフは「来客の半分は観光客のよう。京都にしかない和の製品を求めるお客さんが多い」。

 ほかにも、着物を体形に合わせて受注生産する店舗や、室町商社から仕入れた生地の仕立て店などが個性を競う。

 昨年12月から京都スタイルに入った金本智子デザイナーは「京都の素材は着物の伝統がベースにあり、柄や色合いが独特。京都ならではの製品が提供できる」と利点を話す。

 新風館に近い三条通烏丸西入ルに建つ複合商業施設「文椿ビルヂング」(中京区)には喫茶店や雑貨店が入る。1920年建築の洋風石壁造りで、04年10月に開業。新風館との相乗効果で三条通周辺に新たなにぎわいを創出し、河原町中心だった人の流れを変えたといわれる。

しゃれた外観と若者向けの店舗が人気を呼ぶCOCON KARASUMA(京都市下京区烏丸通四条下ル)

 ビジネス街の中心地にも異変が起きた。下京区烏丸通四条下ルの大型商業施設「COCON烏丸」は、約70年前にできた和装問屋の本社ビルを改装、04年12月に開業した。飲食店や室内用品店、映画館などこだわりの店舗展開が話題となり、初年度で約340万人が入館した。

 京都を代表する景勝地・嵐山には今年1月、無線通信などの最新技術を使ったデジタル百人一首の展示・体験施設「時雨殿」(右京区)が誕生した。施設開発を担当したのは世界的ゲームメーカーの任天堂(南区)だ。床に敷き詰めた大型液晶パネル上で、かるたとりや京都中心部の疑似上空散歩などが体験できる。運営会社は「世界でも例のない施設。将来は京都観光の出発点になりたい」と意気込む。


[京都新聞 2006年3月31日掲載]