Kyoto Shimbun 1997.10.15 社説から

 銀行破たんの経営責任は重い

 経営悪化が深刻な第二地方銀行の京都共栄銀行(本店・京都市)が系列銀行である幸福銀行(同・大阪市)に事業譲渡して清算することを決めた。事実上の経営破たんである。

 預金は全額保護されることになっているため、今のところこれといった混乱はないようだ。

 バブル崩壊によって膨らんだ不良債権が金融業界全体に重くのしかかり、一部中小金融機関の経営不振の大きな要因になっている。京都共栄銀行も例外ではなかった。

 それどころか京都共栄の場合、預金量三千四百億円、貸出金三千億円に対し、不良債権の総額は千二百九十億円にのぼり、債務超過額は百五十一億円になるという。不良債権の総額は、公表額の五倍にもなる。情報開示のごまかしとするなら問題だ。これではまともな経営は成り立たない。経営破たんはある程度予想された事態とみていいのだろう。

 京都共栄銀行の吉永勝商社長は記者会見で、不良債権が膨れた原因にバブル崩壊後の地価の下落を挙げ「反省はしているが、その時の経営判断に誤りがあったとは思っていない」と述べた。しかし、結果としてことここに至った経営責任は決して軽くない。

 わが国では二〇〇一年度までの特例措置として、金融機関が倒産しても預金は大口も含めすべて保護されることになっている。預金者にとっては救いだが、それが逆に経営を甘くし、経営責任を軽くしてはいないかと気になる。

 もともと京都は金融激戦区と言われる所だ。有力地方銀行のほか都銀すべてが支店をかまえ、長期信用銀行もそろっている。加えて信用金庫が大きな力を持ち、高いシェアを誇る。

 第二地銀である京都共栄は何かと苦戦を強いられてきた。バブル崩壊後は折にふれ、他行との合併のうわさがつきまとっていたのも事実である。

 大蔵省は当初、先に来年十月の合併を決めた福徳銀行となにわ銀行に、幸福、京都共栄を加えた四行による新銀行設立を考えていたようだが、各行の合意が得られなかったと聞く。

 相変わらずの手取り足取りの行政介入には違和感もあるが、事業を引き継ぐのが結局は幸福銀行になったのは、資金面や役員派遣などこれまでの両行のつながりからしてごく自然である。

 問題は幸福銀行自体も多額の不良債権を抱え経営不振にあえいでいることだ。預金保険改正法案が成立すれば、預金保険機構による資金援助も得られよう。幸福銀行グループの出資で六十億円の増資を行い自己資本比率を高めるともいう。それでも経営を軌道に乗せるのは容易ではなかろう。思い切ったリストラなどで経営基盤を強めることが必要だ。

 昭和産業無尽、京都相互銀行時代も含め、半世紀以上にわたって京滋の府県民に親しまれ、地域の発展にそれなりに貢献してきた銀行である。一年後に姿を消すのはさびしいが、銀行はつぶれない、つぶさない時代ではなくなったのだ。

 日本版ビッグバン(金融制度改革)をにらみ、金融再編はなお進むだろう。金融界が体質改善するいい機会である。同時に一般国民も、金融先を選択する確かな目を養わねばなるまい。


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