Kyoto Shimbun スポーツ
 Kyoto Shimbun 1998.7.22 【スポーツ】

 ワコール女子陸上競技部
 藤田監督を解任
 真木も退社、引退へ

 ワコール(本社・京都市)は二十一日、女子陸上競技部の藤田信之監督(57)=写真=と二人のコーチを解任、指導陣を一新することを決めた。同日付けで同監督らを社内や関連組織に異動する辞令を出した。十三人の所属選手については「個人の意思を尊重する」としており、バルセロナ、アトランタ両五輪に出場したエースの真木和(29)は、退社し現役引退する意向を明らかにした。

 解任の理由について、同社は▽退社した選手の他チームへの移籍について、会社と指導陣との考え方が対立した▽指導方法が社の方針に沿わない―の二点を挙げ、「企業のスポーツ活動の原点を見直し、選手主役の新たな陸上部活動を目指したい」と説明している。

 後任監督は当面、スポーツグループの藤田侃事務局長(55)が代行する。また、選手に対しても同日、社の方針を説明した。

 同部は一九八六年に創部。全日本実業団女子駅伝で八九年から四連覇するなど五度の優勝を遂げたほか、五輪などの国際大会でも活躍を続けている。藤田監督はユニチカ時代から女子中長距離の指導で実績を挙げ、創部時に入社し指導に当たってきた。  同社広報室は「監督らと今年一月から話し合いを続けてきたが、社の方針に従えないと明言しており、やむを得ない。(今回の措置は)社の業績などとは全く関係ない」としている。

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「説明なく驚いている」
 藤田信之氏の話 社の方針を変えるのなら事前に説明し、それに従って監督や選手を続けるかどうか聴取するべきだ。何の説明もないまま方針変換と解任の内示を受け、驚いている。シーズン途中の解任で、一番の被害者は選手。自身の今後についてはこれから検討したい。


 「やってきたことを否定された気持ち」 真木和

 女子一万メートルの元日本記録保持者、真木和=写真=が二十一日、ワコールを退社し、現役引退することを表明した。

 真木は「練習するたびに故障を繰り返し、レベルの高い現在の日本のトップまで到達できないと悟った」と、藤田監督の解任を引退の直接の理由には挙げなかった。だが、今回の会社側の決定について「勝利と記録だけが目標ではないと新方針を説明しているが、五輪など大きい舞台で走り、記録を更新することが一番の喜び。自分たちがやってきたことを否定されたという気持ち」と反発した。

 また「走るために会社に入ったので、以前から陸上をやめたら会社も辞めようと考えていた」と話し、同日、会社に退社の意思を伝えたという。今後については「陸上に関する仕事ができればと考えているが、具体的には決まっていない」と話している。

 真木は愛媛県・今治北高から入社。一万メートルでバルセロナ五輪と東京、シュツットガルトの両世界選手権で決勝進出を果たしたほか、アトランタ五輪ではマラソンで12位に入った。全国都道府県対抗女子駅伝にも七度出場し、京都代表として出場した三度はすべてチームを優勝に導いた。


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