北京五輪 女子マラソン
13位中村、悔しい初五輪

13位でレースを終えた中村友梨香=北京(時事)

 ゴールした中村の顔に満足感はなかった。「勝負どころで自分の力不足を痛感した」。28キロ手前でトップを追う集団から遅れ始め、硬い路面の影響で30キロを過ぎると「脚が思うように動かなくなった」。13位。初の五輪は悔しさだけが残った。



世界と差痛感

13位でゴールした中村友梨香選手=国家体育場(共同)

 大学進学を望む両親に、陸上競技への情熱をぶつけて説得した。女子マラソンの中村友梨香選手(22)。十七日、初めての五輪レースは13位に終わり「世界のトップレベルと自分との差を感じた」。ゴールを見届けた両親は「力を出し切った」と娘をねぎらった。

 高校3年。陸上部に誘われた天満屋(岡山市)への回答期限が迫る中、食卓を囲んだ”家族会議“で、娘は父香澄さん(50)と母宮子さん(50)に思いをぶつけた。「不器用なわたしには勉強と陸上を一緒にできない。大学よりも走ることに力を注ぎたい」。普段とは別人のようだった。

 家族会議で進学を説得するつもりだったが、信念を貫く娘に頼もしさを感じ、父は「行くと決めたら頑張れ。日の丸を付けて走る選手になれ」と励ました。

 スタンドで応援した香澄さんは「よく頑張って完走してくれた」とうれしそうな笑顔だった。(北京、共同)


中村選手 元気くれた
出生の福知山 祖母ら応援 「上等。経験を糧に」

ゴール直前の中村選手に声援を送る祖母の前川さん(手前)ら(福知山市東羽合町)

 「おばあちゃんに元気をくれて、ありがとう」。十七日に行われた北京五輪女子マラソンで二時間三十分十九秒で十三位となった中村友梨香選手(22)の母方の祖母前川つね子さん(82)は、福知山市の自宅近くの眼鏡店で、近所の人たちとテレビ画面を通して声援を送った。

 中村選手は一九八六年に福知山市で出生、昨年もお盆に祖父の故・哲男さんの墓参りをした。今年は五輪出場でお参りできなかったが、先週「心配せずにおじいちゃんと応援してね」とのはがきが届いたという。

 前川さんは、テレビに中村選手が映し出されるたびに身を乗り出して応援。前半、先頭グループで快走する場面では「速く走ったらばてるで」と孫を思いやった。三十キロ付近でペースが落ち始めると「頑張れ」と声を掛け続けた。

 ゴールの瞬間には「上等、上等。この経験をよい糧として今後に生かして」と、優しいまなざしで語り掛けていた。


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